リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ブサール先生の教え(4)

2022年07月24日 17時09分48秒 | 音楽系
その4です。

まず始めに選ぶべき曲として、

「自分の実力に合うと思う曲を1曲選んでみましょう。他の曲に目移りしたり、次から次へと曲のつまみ食いをして棒を折ったりせず、1つの曲を完全に弾けるようにします。そして初見でいきなり終わりまで弾かないで、各声部をよく吟味しひとつの声部を何度も(たとえ千回を超えても)なめらかに弾けるようになるまで練習しましょう。」

これはもちろんプロフェッショナルな人に言っているのではなく、リュートの初学者に言っていることばです。この「自分の実力に合うと思う曲」というのを見極めるのが難しいのかも知れません。自分が弾きたい曲と実力に合うと思う曲というのは異なります。

50年以上前の日本はギターブームみたいなのが起きてきて、全然実力が伴わないのにステージでアルベニス作曲のアストリアスを弾く人が結構いました。アルハンブラの人もいたかな。リュートだとほとんどまだ弾けないのに998のプレリュードをレッスンしてくださいというのも同じ。

つまみ食いは楽しいですが、食い散らかすのはいけません。各声部を何度も弾きなめらかに弾けるようにするのはとても重要なことです。こういうことをきちんとせずなめてかかっているとこんな演奏になります。実力に合わず、つまみ食い放題、吟味なし、なめらかさナシです。ブサール先生怒りますよ!

こんな演奏
(適当に想像してください。You Tubeには結構身近にころがっています)