リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ワカタカカゲの言い方

2022年07月26日 12時10分24秒 | 日々のこと
名古屋場所は逸ノ城が見事優勝をはたしましたが、最近力を付けてきているのが関脇若隆景。この力士はおじいさん、お父さん、兄弟皆お相撲さんと言う相撲一家で、成るべくして成ったという人です。シロウトの私からみても贅肉のない均整のとれた体付きでもっと番付があがるのではという感じがします。

番付が上がれば上がるほど、注目されテレビなどでワカタカカゲと呼ばれる機会が増えるわけですが、このしこ名の発音がちょっと言いにくいようです。解説の舞の海さんなんか最初はかみまくっていました。場内放送のアナウンスはさすがにスムーズに発音していますが、NHKのアナウンサーはちょっと警戒してか、ワ・カ・タ・カ・カ・ゲみたいに少しゆっくりと言う人が多いです。でも取り組みが始まるとそういうわけにはいかず、舌がすべってしまいがちのアナウンサーもいました。

これは多分「カ」が多く、特に途中で2回連続するのでいいにくくなるということでしょう。本来の日本語の発音としては語の冒頭に来た場合の「カ」は破裂音ですが、語の途中の場合の破裂は少し軽くなります。でもワカタカカゲの3つの「カ」を全て強めの破裂音で言うととてもいいにくくなります。

若隆景というしこ名は、1.「ワカ」2.「タカ」3.「カゲ」の三つから成り立っていますが、1.と2.の「カ」は語尾、3.の「カ」は語頭ですので、1.2.は破裂音ナシもしくは軽く、3.は少し鋭めの破裂音で発音するとぐっと発音しやすくなります。連続する2つ目と3つ目の発音が少し異なるようにするわけです。頭の中の整理としては「ワカタカ」と「カゲ」にわけて、「ワカタカ」の「カ」は軽く、「カゲ」の「カ」は鋭くというような感じにまとめるといいと思います。

最近の日本語の傾向で、鼻にかかる鼻濁音の「ガ」(語頭に来ない場合の発音)が消滅しつつある感じがしますが、NHKのアナウンサーはさすがにきちんと鼻濁音しています。(語頭の「ガ」は鼻にかかりません)鼻濁音の「ガ」が消滅しつつあるので、清音の「カ」もそれに引きずられて破裂音一本になっている傾向がありますが、それだとワカタカカゲはとても言いにくくなります。NHKのアナウンサーもワ・カ・タ・カ・カ・ゲ(この場合全ての「カ」は破裂音で言っているようです)みたいにに言わないで、本来の日本語の発音でサラッときれいに言ってほしいものです。