リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

あと2息くらい?

2023年04月24日 14時46分21秒 | 音楽系
VARIETIE OF LUTE-lessons の完訳版の完成まであとひと息+oneくらいかな?

当初は曲集にある曲については含まない予定でしたが、どうせならまるごと出そうということでタイトルに「完訳版」をつけました。本文の校正は先月に終えましたが、この曲集なかなかのくせものです。

というのもタブに結構ミスプリントが多いからです。ということは以前から知っていましたが、それに注釈を付けていくのが煩雑な作業になるからです。楽譜のチェックも読譜だけでなく実際に弾いてみたりもします。ルネサンス・リュートを弾くのは久々なのでついつい弾き込んでしまって時間が経ってしまうのもしばしばです。(笑)

昨日はパヴァーンの部第6曲目の、フェラボスコのパヴァーンをチェックしました。タブの文字が1段ずれているみたいなはっきりしているところは分かりやすいのですが、結構微妙なものもあります。そういうときは別の版を参照したりもします。この曲はユーイング・リュートブック(グラスゴー大学図書館蔵)にあるので見てみました。


大学図書館からはポジのマイクロ・フィルムを戴いたので、写真にすると黒白反転します。上の段の曲がフェラボスコのパヴァーンです。

この写本は最も初期に手に入れたもので、私が制作した冊子には1972年7月下旬にグラスゴー大学図書館に発注、9月18日にマイクロフィルムが届き、10月15日にそれから写真に焼き付け、10月24日にスクラップブックに貼り付けが完了した旨のメモが書いてあります。



50年以上前というとまだ私は20代はじめ頃ですが、そのころから同じようなことをしていたのですねぇ。


スクラップブックの表紙です。