院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

「おもてなし」を考える(2)

2014-04-08 07:00:47 | 文化
(NHK出版刊。)

 俳句で「お接待」というと、巡礼の人に遍路道の民家が無償で茶をふるまうことで、秋の季語である。四国八十八か所の遍路道では今でも行われている。

 縁もゆかりもないお遍路さんを「お接待」することは、見返りを求めない仏教の布施の一種である。あえて見返りがあるとすれば「極楽成仏」であろう。

 ここに日本の「おもてなし」文化の原型を見ることができ、茶の湯の「もてなし」もここから派生したものと思われる。

 「接待」とは元来、仏事だったのである。