(メディアペティカより引用。)
最近、医学部人気が過熱している。東大の文Ⅰに行くような学生が医学部に流れてきているらしい。その原因は、医学がIT技術を取り入れて長足の進歩をしているのに対して、法学には進歩がないからである。食べられない弁護士が出現して、弁護士がプラチナ免許ではなくなったことも大きい。
(私が医学生のころはCTがまだ出始めだった。現在は3DのMRIがある。こうした進歩は若者には魅力的である。)
もうひとつは、医者があまり叩かれなくなってきたことである。昭和の末期から15年間くらいは医者叩きが激しく、ある産婦人科では産婦がやむをえない理由で亡くなったとき、手術室にいきなり警察が乗り込んで来て産婦人科医に手錠をかけた。これが医者叩きのピークだった。
少々の批判は我慢していたが、医者たちはこれは流石に行き過ぎだと怒った。医療で死亡者が出るのは避けられない。いちいち逮捕されていては、医者は全員逮捕されてしまう。訴訟も増え、外科、産婦人科の希望者が激減した。いまでも産婦人科がない病院が少なくない。こうして、あまり叩くと、いなくなることが国民に分かって医者叩きが収まってきた。それで医学部人気が盛り返したのだ。
それでも私が若いころに比べると、まだ医療訴訟が多い。それに対して無過失責任の制度などが整備されつつある。
私が受験生時代にも医学部人気が過熱したことがある。それは何故だったか、次回に述べよう。