院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

医学部人気の過熱(2)

2014-04-20 05:12:23 | 教育

広島市健康保険解説サイトより引用。)

 私の受験時代にも第一期の医学部ブームがあった。私の一回り先輩に言わせると、高校での一番手の生徒は法学部や理工学部に行き、医学部に行くのは二番手三番手の生徒だったという。

 私たちの親世代の医者たちが遭遇したのは、高度成長の波と国民皆保険制度の黎明だった。国民皆保険制度は「相互扶助の精神」を具現化したものとして国民に受け入れられた。自己負担はゼロだったが、健康な者も保険料を支払った。

 国民皆保険制度の導入によって、病院や医者がものすごく儲かるようになった。私が勤めていたT病院も、そのころ規模が10倍になり、それでも病院にはお金が溢れたという。当時の院長は、溢れたお金をすべて美術品に変えた。やり手の院長だったらしい。

 現在、T病院はたくさんの美術品を所蔵している。総額何十億円になるか分からないという。

 このような病院や医者の隆盛を見ていたのが、私たちの一回り上の世代だった。二番手三番手だった生徒が、一番手の生徒を凌駕するところを、その世代は目の当たりにしたわけだ。

 これによって、下の世代である私たちに第一次医学部ブームが到来したのである。

(アメリカを初めとする諸外国が日本の国民皆保険制度をマネしようとしてるが、それは無理だ。戦後の高度経済成長という熱気の元、国民が貧困から抜け出そうとして一丸となっていたからこそ、国民皆保険制度は実現できたのだと私は考えている。)

(私は二番手三番手だったから医学部を受けたのだが、そこに一番手が参入してきたので、受験競争は私にとって厳しいものとなった。)