院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

これはひどい!「選択療養」制度

2014-04-22 05:05:36 | 医療

(規制改革会議、首相官邸HPより引用。)

 混合診療解禁を批判した記事(2014-03-29)では「選択療養」という用語を使わなかったが、「選択療養」とはすなわち、同記事で述べたように、「○○イオン水の点滴」といった怪しい医療(?)行為にお墨付きを与えるような提言である。(何を「選択」するのか、目的語が分からないのは行政用語の常である。)

 私とまったく同じ意見がダイヤモンド・オンラインに載っていた。参照されたい。当然のことながら、「選択療養」という提言は与野党の覚醒した議員から猛反発を受けている。

 そもそも「○○イオン水」はこれまでだって自由診療としてなら黙認されてきたのだ。今度は「○○イオン水」が健康保険制度を巻き込むことができるようになるというのが、「選択療養」の最大の欠点である。

 そのような案を発表したのは、安倍首相の指示を受けた「規制改革会議」である。「規制改革会議」のメンバーは誰なのか報道されていない。構成員の中に医者は入っていないのではないか?まともな医者なら「○○イオン水」の類を使用している医者が、同じ疾患に対して感染や炎症などの面だけ(効果がはっきりしている)健康保険を利用することを許すはずがない。

 「○○イオン水」を信じ込んだ患者は、健康保険が効く(つまり効果がはっきりしている)感染や炎症の治療を同時に受けても、病気が改善したのはすべて「○○イオン水」のおかげだと思い込むに違いない。

 「規制改革会議」のメンバーに医者が入っていたら、誰なのかを知りたい。

註:「選択療養制度の創設について」(PDFファイル)、規制改革会議の提案