ようやく時間が出来たので8月に落札(本体3100円)したMEGURO MSG-211G-1 STEREO SIGNAL GENERATORの確認を行った。
この測定器(下側)だけでは、音声帯域のステレオ信号を発生するだけなので、この出力をFM/AMシグナルジェネレータ(外部入力ではステレオの対応が無い)(上側)の外部信号入力に接続し、送信周波数を合わせると高周波(電波)としてステレオ放送が出るというものなので、そう言う構成で実験して見る。
取扱い説明書は無いが、ボタンの名称を見れば、大体判るので、適当に押して見る。
内部固定信号周波数は出るので、MSG-211G-1の外部入力に切り換えて音源を接続して見る。
音源には、先日修理したSONY製テープデッキTC-K555ESAを使い、先輩おもちゃドクターに編集して送ってもらった素晴らしい音の音楽テープを入れて再生。
LINE-OUTでは出力レベルが小さいみたいで、入力レベルLOW/HIGH表示のLEDがピークでもHIGH側にならないので、ヘッドホンジャックに接続してみる。音質は多少低下するが、聴感確認では問題無いレベルだろう。(受信も近くにチューナーが無いので、昔のラジカセでモニター)
以前はFMトランスミッタ用ICを使って、これのステレオ信号出力を接続して実験したことがある。これでもまあまあの音質だったが、これに比べるとやはり、プロ用機器だけに、普通のFM放送と同じ様に綺麗に歪無く聞えて来る。FM放送やアナログテレビ音声(FM)では、送信側で高域を持ち上げる「プリエンファシス」を行っている。(受信側のチューナーでは「ディエンファシス」を行って、フラットな特性に戻している)私の記憶では75μsecだったので、これに合わせたが、ネットで調べるとFM放送は50μsecで75μsecはテレビ音声だった。
ようやく本題(お化けFM局)に戻る。
ラジカセ(アナログテレビの1~3CHも受信出来る)ので、チューニングしていたら、アナログTV-3CHの周波数あたりでFM放送が聞える。(7月まではアナログTV地上波が有ったので、これが聞えていた)ちなみに、他のラジカセでも同様に受信出来た。
最初は音楽だったのでEスポの海外FMでも受信しているのかなと思ったが、その内に解説が入り「日本語」が聞えて来る。
他の周波数で同じ内容の放送が無いか調べたところNHK-FM放送だった。
でも、何故、これが聞えるのか不思議なので、ネット検索したら有った。
「近くにFM放送局があるとイメージ混信で21.4MHz(FMの中間周波10.7MHzの倍)高い周波数にその局が聞える場合がある」と
近くの小高い山「加波山」の頂上にFM中継所があり83.2MHzの電波が出ている。ということで83.2+21.4MHz=104.6MHzにチューニングすると聞えるという現象になる。
スーパーヘテロダイン方式(受信周波数と局部発振周波数を混合して中間周波数に変換する)特有の問題で、昔は、FDM(周波数多重化装置)の設計をしていたので、その辺の知識が有ったのだが、今はすっかり忘れて計算方法が思い出せない。
この現象は、全ての受信機に起こるものでは無く、高周波増幅・変換部(フロントエンド)の特性に影響する。(特性が良く無い場合発生)
したがって、高性能な受信機(私の場合IC-R9000)やスペクトラムアナライザにて測定すると、この周波数には何も出て来ない。