トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

PICバッテリーチェッカー試作・動作OK

2013-02-04 17:05:00 | PIC

おもちゃ病院での受付で、故障原因の7割近くが電池関係(消耗、無し、液漏れ・接点腐食)と多い。
チェッカーは、市販品(100円のアナログ式、3LED表示式、デジタル電圧表示式)を使っているが、それぞれ一長一短があるので、簡単で使いやすい物を「電子工作サークル」で製作することにした。
【仕様】
1.3LED(赤、黄、青)で判別表示する。電圧判定にはPICを使う。
 ・1.5V電池判定電圧
  赤(POOR)1.0V未満
  黄(WEAK)1.0V以上1.3V未満
  青(GOOD)1.3V以上
 ・9V電池判定電圧
  赤(POOR)5.2V未満       GP0:1.49V未満
  黄(WEAK)5.2V以上7.1V未満 GP0:1.49V~2.04V
  青(GOOD)7.1V以上       GP0:2.04V~2.57V
2.動作用電池は使わず、被測定電池を電源にする。
3.単三、単四、006P(9V)を測定出来る。
4.ケースは100円グッズを利用する。
【試作】
Battcheker Img_4225_rImg_4226_r・各ブロックを追加して行きながら、動作確認する。
(1.5V、9V、動作電圧発生部)
・PICは12F683を使用し、基準電圧はTL431を使用(約2.5V)。
・1.5Vの昇圧にはDC/DC-CONV-IC(HT7750A)を使用。0.8V以上で動作。
(最大入力電圧が6Vなので、実験の際、これ以上の電圧を印加しないこと)
・9Vの降圧には低ドロップ3端子レギュレータ(HT7550-1)を使用。5.1V以上で動作。
回路部品を極力少なく実現させようとしたが、最終的には、この回路となった。
(HT7750-1は、入力5.1V以下でも電圧が出力される)
・1.5Vと9VはPICのGP3(デジタルの入力専用しか対応しない)が5V(H)か0V(L)か判断してプログラムを切り替えている。
Img_4227_rImg_4230_r Img_4231_r Img_4224_r ・ケースは単三/単四充電器を活用する。不要となった電源トランスは何かに活用出来そう。
9Vは電池ケースのマイナス端子間に押し付けて測定する。
吉本先生宅に伺ってハードとソフトの摺合せを行い、最終的に仕様通りの動作が実現出来た。
Dsc01034_rDsc01037_rDsc01042_rその後、ケースに入れた状態の写真を送っていただいた。表示基板と処理基板の2枚構成。
2/10のサークルで、皆さんに製作してもらうことにしている。表示を考えなければ。

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アナログテスターの効能

2013-02-04 16:48:00 | おもちゃ病院

 現在では、デジタルテスターのが安価になって来ているし、測定値も正確なので使用する方も多いと思う。
私も、アナログ式、デジタル式(一般、SMD用、クランプ、LCR用、携帯オシロとテスター機能が一緒)の6台も所有しているが、一番使うのは使い慣れたアナログ式である。もう30年以上も変わっていない小型の製品だ。
正確な値が知りたい場合のみ、デジタル式を併用している。
今回、業務用ラジコン修理に立て続けでアナログテスターがトラブルシュートに役立った。
1.電源スイッチを押してもONにならない
Img_4078_r Img_4079_r 目ぼしいところを調査したが判らないので、電圧を測定していったら、あるところで、電源LEDが点灯するところが有った。そこで10kΩ抵抗を0V間に入れると同じ様に動作する様になった。どうやらオートOFF回路のどこかが働いていない(パターンが湿気で腐食)様だが、これ以上の調査は大変なので、依頼者に了解頂き、電源用のトグルスイッチを追加して、これでON/OFFしてもらうことにした。
2.ホーン以外の操作でも、ホーンが動作してしまう
Img_4214_r Img_4215_r Img_4216_r Img_4095_r Img_4098_r これも、各操作スイッチを操作しても動作しないというもので、配線切れが1箇所有ったので接続したら動作する様になった(後の不具合には気付かず)のでお返ししたのだが、動作確認してもらうと、ホーン以外の操作でも、ホーンが動作してしまう(ホーンのLEDも点灯)という不具合が有り、配線ミスかと思い返却してもらうことにした。
届いて、確認したが配線接続は問題無い様だ。ホーンスイッチの電圧を測定しようとテスターを当てたら同時動作が無くなった。この電圧を見ると、ホーン以外のスイッチを操作した時に2V程度に上昇している。これが悪さをしている様だ。
これも、スイッチに行っているパターンと0V間に抵抗を入れて見て確認すると1kΩで正常動作(これより高いと改善されない)するので基板に抵抗取り付け。
本当の原因は調査に時間が掛かるので、様子を見てもらうことにした。(届いて、実機でも問題無く動作したとの連絡を頂いた)

アナログテスターはデジタルテスターに比べて内部抵抗が小さいので、これが作用して偶然動作確認が出来たものである。

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