いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政権「空手形」景気。 tone of the market by fictitious bill of p.p.

2013-02-25 19:40:54 | 日記
 (1)安倍政権が誕生して2か月近くがたつ。内閣主導というよりは安倍首相の発信力を前面に出しての経済再生路線が好循環を生んで、自民党が音無しくしているのが政権の一体感を生んで、国民の前民主党政権へのアンチテーゼ(anti these)として安心感を生んでいる。

 既得権益温床の公共事業復活、物価目標2%達成で日銀への過度の圧力をかけたのも、達成責任を日銀にひとり押し付けた強引なやり方も、さして問題視されないのも前民主党政権崩壊へのアンチテーゼとしての期待感のあらわれだ。

 (2)日米首脳会談も終えて、TPP交渉参加問題で自民党支持の農業団体の反発、自民党内交渉反対グループとの調整が本格化してきて、政権の統治能力が問われる政局段階に入ってきた。
 安倍首相は「聖域なき関税撤廃」は前提としないことを確認できたとしてTPP交渉参加に踏み切る見通しで、本日首相に判断の一任を自民党から取り付けてこの問題も首相主導で突破する意向を示している。

 自民党内若手議員からもそれを後押しする意見も公然と出て、この安倍首相主導の政局の流れに自信を深めているのではないのか。

 (3)内閣支持率も高く、政党支持率でも野党を遠く離して政局独走の気配だ。この「勢い(influence power)」を駆って普天間飛行場移設問題でも今年中に辺野古沖埋め立て許可に向けて申請準備を進める方針も打ち出している。

 埋め立て許認可権を持つ県知事、辺野古の名護市長も県内移設に反対を表明しているが、前民主党政権時代のような相手を見下したかのような頑(かたく)なな強硬性が伝わってこないのは、やはりこの「勢い」のせいなのか。

 (4)「勢い」と言っても、安倍首相の口先介入による期待感への円安、株高現象で政権の「空手形」(fictitious bill of political power)によるもので、実態を反映したものではなく期待感がそのまま「現実」のものとなるのかはこれからの結果次第だ。

 安倍政権発足後の「様子見」期間を除いても2か月近くの間に、国債発行増に依存した公共事業拡大、物価目標2%達成への日銀への圧力(独立性無視)、TPP交渉参加見通しと立て続けに重要政策を安倍首相主導で打ち出してきたが、その間の野党も含めて比較議論、検証が十分行われずに政権「空手形」の「勢い」のまま推移しているのも正常な政局(political situation)とは言えない。

 (5)与野党比較議論もなく、圧倒与党、弱小野党ともに音無しの中で政権「空手形」決裁の「結果」だけを待つ偶発性政治に展望、展開力は望めない。
 国会審議を通して本格的な政治論、政策論、時代論、国益論が聞かれて、国民の総意を背景としてその中で国家未来への光明を見つけていく作業が不可欠だ。

 (6)与党自民党と支持率で大きく差の開いた野党第1党日本維新の会、第2党の民主党は、特色のある政治姿勢、政策力、自信をすっかり見失っており批判勢力とはなっておらず、野望と野合の結党、解党くり返しの中で政界再編への期待感もいまではすっかり聞かれなくなった。

 今夏の参院選でのねじれ国会問題に対する国民判断が注目される。
 

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