いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

奇妙な静けさ(北朝鮮制裁)。 curious silence , sanction against n.k.

2013-02-15 19:34:25 | 日記
 (1)北朝鮮が12日に核実験を強行して国連安保理はいまだに有効な制裁措置を打ち出せないでいる。今回の北朝鮮の核実験実施には、唯一の友好支援国の中国も「反対」声明を出して、安保理常任理事国はすべて「反対」で一致しているはずが、自らも核保有国で背に腹は代えられない自己矛盾を抱えて、中国は対米けん制の手先として北朝鮮カードを手放すことはないから、やはり同制裁には核実験反対声明で言うほどに鮮明ではない。

 北朝鮮はその辺の核保有国既得権益保護(あるいは独占、寡占化)事情を利用しての核実験強行、先軍政治、瀬戸際外交だし、世界、安保理の反応様子見のところだ。

 (2)だからこれに増長した北朝鮮は即座に第2、第3の強硬対応措置まで発表する周到な始末だ。日本政府は即座に朝鮮総連関係者の再入国を規制禁止措置制裁を決めて、さらに経済制裁(関係口座凍結)、テロ指定国家制裁など米国と対応協議する姿勢を表明して圧力をかけているが、「失うもの」などない北朝鮮にはこれまでも効果的な制裁措置とはなっていない。
 瀬戸際外交を先鋭化させているだけとも言える。

 (3)今回の北朝鮮の核実験強行にあたっては、軍事技術協力関係にあると見られるイランの科学者が立ち会ったと報じられており、イランの核開発推進の疑念もさらに高まり、米国覇権主義が「手を出しにくい」政治、文化、軍事、地域環境にある北朝鮮とイランが不吉な連携を強化している実態も伺い知れるところだ。

 北朝鮮が国境を接する中国との交通を停止しているとの情報(報道)もある。このあたりにも、中国の北朝鮮カードの重要性を見越したかのような対中距離、お仕着せ外交を見せている。

 (4)同じく朝鮮半島を北朝鮮と南北に分離して境界線を接する韓国は独自に開発したとされる巡航ミサイルを北朝鮮に向けて実戦配備(陸、海作戦)したと念入りに映像付きで発表した。
 北朝鮮の核実験の強行を受けて、当然の隣接危機感を持っての対抗措置と見られる。イランと北朝鮮の軍事的結びつきも含めて、朝鮮半島の軍事的緊張が極度に高まっている。

 (5)米国は極東アジアの安定以上に本国への核攻撃が現実味を帯びてきただけに、オバマ大統領の一般教書演説でも米国直接攻撃への迎撃対応の万全を強調してみせた。
 北朝鮮核実験強行に対する米国、韓国、日本の朝鮮半島、極東アジア軍事同盟トライアングルの連携強化、対応、作戦、制裁(sanction against n.k.)も表立っては見えない。

 (6)奇妙な静けさが漂(ただよ)う北朝鮮核問題をめぐる事情だ。中国がこの問題で画期的な制裁措置に踏み出さない政治かけ引きが、北朝鮮問題解決へのジレンマ(dilemma)であり、いまだ奇妙な静けさ(curious silence)の中だ。

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