いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ブラックユーモアでないルクソール事故。 luxor accident is not black humor

2013-02-27 20:22:34 | 日記
 (1)エジプトの観光地ルクソールでの遺跡観光で21人を乗せた遊覧熱気球が飛行中に爆発、炎上、墜落して日本人観光客4人を含む19人が犠牲となった。
 JTBの100%出資子会社がツアーを企画した旅行企画斡旋業のブランド(brand)旅行であったが、死亡事故が起きた熱気球遊覧は希望者が自由参加する人気オプショナル(optional)であった。

 JTBがオプショナルとした熱気球遊覧の現地観光気球会社は数年前にも事故を起こすなど問題があった(報道)と言われており、ルクソールでの熱気球遊覧では08年と09年に電波塔接触事故で観光客が負傷する事故(報道)も起きている。

 (2)エジプトは世界からの観光人気も高く経済の基幹産業となっており、しかし一般的に観光施設、設備の安全基準の遵守や対策が甘い(専門家談)と言われている。

 今回のエジプト観光ツアーでも、JTBは「旅行者が気球に乗る場合は、突風などで負傷する危険性を参加者に伝え、死亡や傷害を補償する海外旅行保険などに加入してもらっていた」という。

 これだけ見れば一般的な海外旅行危機管理のカスタマリー(customary)と見られるが、海外観光旅行地の整備事情、事故例を熟知する旅行斡旋業者の立場からすれば、オプショナルとしての旅行客自己責任への告知転嫁というブラックユーモア(luxor accident is not black humor)にしてはならないものだった。

 (3)観光もグローバル化して、旅行斡旋業者の開発、企画、宣伝で世界各地の観光地に出かける日本人も多く、日本とは違った気候、風土、習慣、観光を楽しむ、経験するのも、旅行斡旋業者の専門的判断、見地(調査、熟慮、指摘)を信頼しての安心行動となる。

 昨年末には、日本の旅行斡旋業者が企画した万里の長城観光ツアーで日本人旅行者が軽装備での大雪の中で遭難、凍死したケースでは、現地事情、状況判断をすべて現地のツアー業者にまかせての現地丸投げ無責任による惨事となった。

 (4)観光旅行はもちろん本来的には旅行者自らが現地をよく知っての自己開拓、判断、イメージ、興味、関心で付加価値を楽しむものだが、観光も産業化してグローバル化してその宣伝効果に乗っての専門性の高い旅行斡旋業者まかせが通例となってきた。

 旅行斡旋業者の企画、宣伝には、現地の事情をよく把握、熟知しての旅行客の信頼に応える配慮、選択が必要な時代だ。

 (5)一般旅行者は冒険者ではない。旅行者への啓発による(興味本位、利益主義でない)安全、安心観光が前提だ。
 観光旅行で死亡や傷害を前提(高い危険度)として補償する保険加入を旅行斡旋業者が薦めるなどと、ブラックユーモアであってはならない。

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