いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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五輪スポンサーとレスリング。 olympics sponsor and wrestling

2013-02-14 20:04:58 | 日記
 (1)東京が開催に立候補している2020年夏季オリンピックの実施主要競技種目からレスリングが除外されて、残り1枠を同様除外された7競技を含めて9月のIOC総会で決定、選ばれることになった。

 昨夏のロンドンオリンピックでは、レスリングは日本のオリンピック競技種目の中でも男女と合わせてロシアと並んで唯一金メダル獲得数(4個)で競技トップを占めて、特に吉田沙保里選手のオリンピック3連覇偉業、連勝世界記録とインパクト(impact)の強い種目であっただけに、その「偉業・威信(prestige)」も通じないIOC理事会決定となった。

 IOC理事会役員による投票結果ということで、特別の除外決定理由は公表されていない。同理事会役員にレスリング連盟関係者がいないこと(ロビー活動不足)、IOCへの欧州の意向が強く影響反映する組織体制、その欧州で人気がないこと、競技内容の平凡さに興味性が欠けて、主要競技種目から除外されたと見られている。

 (2)レスリングは鍛えあげた均整のとれた肉体美(physical beautism)を誇示(body consciousness)して互いにぶつかり合う「格闘技」だが、スキを見てのタックルに相手の裏側に回り込んでの制御で加点される(フリースタイル)採点方式との「スケール・ギャップ(scale gap)」も大きく、グレコローマンスタイルでは上半身だけの攻撃に限られて単純な投げ技方式で、第1回ギリシャオリンピックからの正式種目で古来のアマチュアスポーツイズム、肉体美を具現化した原始的スポーツ理論を引き継いだままのものでもある。言うなら、クロウト受けするスポーツで一般興味受けしないスポーツスタイルだ。

 (3)オリンピックは「参加することに意義がある」時代から「アマチュアリズムの本家」といわれた時代を経て、近年はプロスポーツ専門家にも門戸を拡げて競技勝負のダイナミズム(dynamism)、パフォーマンス強調の商業主義化、スポーツ祭典化している。

 テレビスポンサー(olympics sponsor)の意向が強く反映されて、開催時期も温暖快適な季節からプロスポーツの佳境ステージに影響のない夏季に開催されている。
 IOC競技種目の選定過程でも、競技の伝統性よりはスポンサーの強い意向、影響力(商業主義化)があったことは近年の傾向から伺い知れるところだ。

 (4)格闘技種目はいずれも古来伝統の文化、型、格式を守るのか、より興味本位の勝負のわかりやすい高いプロスポーツダイナミズム化に向かうのかの課題を抱えている。
 日本古来伝統の柔道は、欧州組織に実権を握られて柔道着スタイル、色も変化して、競技内容も離れての組み手争いに終始して足を取ったり(現在試行ルールで禁止対象)とまるでレスリング化して体力差に劣る日本選手は劣勢で、余程実力差でもないと本来の鮮やかな一本勝ちはお目にかかれない。競技の特性が薄れて楽しさ、おもしろさがなくなっている。

 (5)レスリングも均整のとれた肉体同士のぶつかり合いというスポーツダイナミズムに合った勝負のわかりやすい格闘技の方向性(ルール)を模索するのか、9月のIOC総会の除外種目の結論とは別に考える契機でもある。

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