いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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米国の教育無償化。 free of fees of education in usa

2017-01-13 19:45:36 | 日記
 (1)ニューヨーク州が州立、市立大学の授業料無償化(free of fees of education)を決定した。今後全米に影響が広がるとの見方が出ていた。個人の自由、権利を最大限尊重し、オバマケア(日本のような相互扶助の医療保険制度改革)にも反対が強い米国で公平、平等、機会均等の考えが出てきたことは新しい流れだ。

 州立、市立大と名門有力私大群との授業料格差をどうするのかの問題は残るが、教育の無償化は教育を受ける権利、機会、公平、平等の保障と将来に渡る人材育成の必要性からも国の基本政策の柱のひとつだ。

 (2)格差問題というと雇用、収入、生活の経済、労働問題との結び付きが強いが、教育でも格差問題は重要な社会問題のひとつだ。
 学びたくても経済的理由で学ぶ機会のない人や国公立大と私大との授業料の開きが収容定員と反比例して教育費の負担増を強いられる人が比較多くなり、満足な教育機会を与えられる人の割合が低くなっている。
 
 今回のトランプ次期大統領の誕生を支持した白人マイノリティ層にはこうした格差社会の現状への不満、不信が多かったといわれている。

 (3)日本をみるとかねてから国の教育投資(investment)が世界先進国の中でもひときわ低いと指摘されて、世界大学ランキングでも日本の大学評価は絶えず下位にランクされてきた。

 09年の当時民主党政権では高校教育の無償化を政策の柱のひとつとして実施したが、その後を受けた昨年の民進党代表選では敗れた前原誠司議員が大学授業料無償化を政策目標に掲げていた。

 (4)安倍首相は自民党が進める憲法改正論議の中に「教育無償化」を項目としてあげ(報道)、検討するよう指示した。日本では私大収容定員の占める割合が高く受け入れの役割の高さの中でこれまでの国公立大と私大の授業料格差が問題となっており、「教育無償化」をどの範囲まで拡げるのかは政府の財政負担とともに課題となる。

 昨年ノーベル医学生理学賞を授賞した大隅良典さんは、科学の基礎研究への国からの助成が不足していることをあげて将来的に若手研究者が育たずに、今後はノーベル賞クラスの研究業績も期待できなくなるとの現状を訴えていた。

 (5)教育投資は国民の教育の自由、知る権利、知的財産、知的水準向上には欠かせないものだけに、それに立ちはだかる教育の格差解消に向けて国としても重要な政策課題として取り組むべき問題だ。

 18年は18才人口の減少期を迎えて大学の競争、経営環境も厳しい時代を迎えることになる。

 (6)こうした時代、環境を前に教育の格差解消に向けた本格的な取り組みを始めなければならずに、それを教育の格差解消の好機とすべきだ。
 一足早いニューヨークからの州立、市立大学授業料無償化のプレゼンスは、日本にとっても新しい教育時代の格差解消への幕開けにも映る。

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