いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

トランプ大統領のメディア嫌いと今のメディア。 president trump dislikes for media & brandnew media

2017-01-28 19:47:48 | 日記
 (1)短い言葉で核心を伝えるというのはなかなかむずかしい。米国のメディアは大統領選でも特定候補者を独自の視点で支持することが社会で認知されているので、新聞の論調でもバイアス(bias)な独自の自由で辛い意見を述べることができる環境にあるとみられるが、より公平、平等な報道が求められる社会風土の日本ではメディア新聞というのは両対極の考え、意見を対比して幅広い見方、意見の中での論点整理、集約型が基本だ。

 (2)その中で世界に類をみないスピードでの高年令社会を迎えて、新聞は活字を大きくして読みやすく紙面構成を変えた。それはそれで広く読者のニーズに配慮したもので意図は理解できるものだが、当然のように字数は減って伝える情報量、密度、内容は希薄になるのは致し方のないところだ。

 少ない活字、言葉、情報で要点を的確に集約して詰め込んで情報を伝える技術力、編成力が必要になってくる。

 (3)読み方にもよるが記事全体を大きく捉えて把握する見方にとっては、あまり活字が大きく一記事で広く紙面を使うのはかえって読みにくい側面もある。活字が大きくなって読みやすくなったからといって、記事の内容、情報が少ない活字数で要点、核心、比較、検証の密度が変わらないかといえば、昨今の新聞記事は批評力、比較力、検証力が落ちてきているのを感じるし、読みやすくなってつまらない記事が多くなった。

 (4)情報化時代、社会を迎えて情報発信の関心、興味はスマートフォンなどのタブレット文化(tablet culture)に移って、若者中心に新聞を読まなくなったといわれている。

 新聞業界は世界的な経営難時代を迎えて、それを地方紙との印刷、取材、情報の共用、共有に活路を見出して、独自の視点、取材、分析という核心的ジャーナリズム(journalism)を自ら放棄して、つまらない記事分析が多くなった。

 (5)活字を大きくして読みやすくしたこと(字数が減少したこと)と、経営難に陥ったこととが情報化社会の中で新聞メディアが記事分析も甘くつまらなくなったことにつながっている。
 その影響結果と言っていいのが、昨年の米大統領選での米国メディアの情勢分析、判断の誤りニュースにつながったとみる。

 米国社会の恒例の大手新聞メディアが独自に政治経験も豊富でオバマ政権で国務長官を務めたヒラリー・クリントン候補をこぞって支持して、政治経験のない過激で奔放な相手候補を非難、中傷するばかりのトランプ候補が不利との選挙分析をしてみせたが、結果はそのトランプ候補が勝利を収めて米国大統領に選ばれた。

 (6)これまで政権に批判的な厳しい立場、見方、記事スクープを伝統とする米国メディアが4年に一度の一大政治イベントの大統領選の勝敗分析を誤るという決定的なミスリードをしてしまった。

 メディアと対決して非難、中傷するトランプ大統領が、その後も一貫して公然と米国メディアを遠ざけ疎外し続ける姿勢を許す要因となってしまった米国メディアの衰退は米国社会の不幸だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする