いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ポピュリズムと保守強硬主義。 populism and strong conservatism

2017-01-23 20:19:15 | 日記
 (1)トランプ大統領の支持率が就任式時点で40%台と近年のこれまでの大統領の中で最も低い数値と発表された。トランプ大統領以外は過半数の高い支持を受けていたので、現時点では不支持(関心もないも含め)が過半数というトランプ大統領はメディアの統計なんか否定して、今回の大統領就任式の参加者数もオバマ大統領の時の180万人に遠く及ばない25万人(報道)だったとの報道にも「150万人いたように見えた」と「(25万人は)うそだ」(報道)と決めつけて相変わらずのメディア報道を否定する対決姿勢を崩していない。

 (2)これからも都合の悪いメディアの支持率、不人気報道との確執が続くことになるだろう。日本のメディアによる直近の世論調査ではトランプ大統領の就任で日米関係は今より悪くなる(56%)が過半数を占めて、良くなる(5%)、変わらない(29%)を大きく上回った。

 裏表のないトランプ大統領の思考行動論理とみているから、まずTPP離脱は大統領令に署名して行政機関に命令したし、さらにこれから日本の輸出産業への高関税、国境税の課税、さらに駐留米軍基地の負担増とトランプ政権になって実行に移す確率が非常に高くなるので、日米関係が今より悪くなるのは比例して高くなるだろう。

 (3)さらに日本にも既成の政治ではない新しい政党や指導者が出てくることを期待するが51%と過半数で、期待しない41%を上回った。これで安倍内閣の支持率が前回より4ポイント上昇して55%と比較高い安定した内閣支持率を示しているのだから、国民の視点、意識もどこにあるのかわかりにくい状況が続いている。

 トランプ大統領の支持層は既成政治、社会に不満を強く抱く人たちであったが、現在の日本は小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)が強く、政府が3年連続での賃上げを主導して4年目も経済界に賃上げを要請している経済優先政策を支持して比較安定した個人生活、社会に満足しているのが支持層とみられるので、安倍政権にとっては逆風でもない。

 (4)もちろん安倍政権の重要政策課題(特定秘密保護法、安保法制、自衛隊の駆け付け警護、消費税引き上げ)にはこれまでことごとく国民の過半数が反対(世論調査)しているので、比較安定した内閣支持率を維持しているのは、野党の力不足も大きく原因している(野党が増えた方がよい45%で与党42%を上回る)とみられるので、深層心理ではあたらしい政党、政治リーダーの出現への願望も高い(期待する51%)ことが伺える。野党に若いスーパー政治家の出現が待たれる。

 (5)安倍政権で政治家、閣僚の政治資金不正行為が続いて説明責任も果たさずに、さらに特定秘密保護法、安保法制と国民の過半数が反対する中で国会強行成立が続いて国会議員総とっかえが必要と書いたが、それが世界の既成政治、社会への不満、反発の潮流として現実のものとなりつつある。

 トランプ現象、英国のEU離脱に象徴されるように既成政治、社会への不満層を取り込んだ世界のポピュリズム(populism 大衆迎合主義)の潮流ではないが、もうひとつの流れの保守強硬、本流思想(strong conservatism)への信頼、依存、安定志向が強い小市民的国民意識、日本政治、社会だ。

 (6)19年10月消費税引き上げ時での社会経済構造がどうなっているのか、日本政治、社会の試金石になる。

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