いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

公正でない。 unfairness

2017-01-31 19:53:45 | 日記
 (1)トヨタが5年ぶりで世界販売台数の首位の座を明け渡した。2016年販売台数でトヨタは前年比0.2%増だったが、フォルクスワーゲンが3.8%増とさらに上回り1位となった。

 フォルクスワーゲンといえば遅れを取る米国市場販売促進のために燃費(排ガス)データ不正ねつ造操作して発覚して、打撃を受けた経緯、記憶が鮮明なのでよもやの思いがあったが、同社販売台数の40%を占める(報道)大きな中国市場で12.2%増(同)と販売台数を大きく伸ばした。

 (2)燃費(排ガス)データ不正ねつ造事件で世界的にVW車購入拒否が広がる中で、中国市場では関係なく実利優先の市場理念が働いていたということだろう。
 中国市場は13億人の国民消費者の巨大市場として世界から注目を集める魅力ある市場であり、ここがコンプライアンス、倫理、道義よりは実利が優先するというところにいまだに米国に次ぐGDP第2位の経済大国となりながら中国社会のパラダイム(paradigm)の危うさ、警戒感が現存することを実証してみせたものだ。

 (3)トヨタが世界戦略で他企業に比べてももっとも進出が出遅れているのが巨大市場の中国だ。今後トランプ大統領が米国への日本車の輸入に高い関税を課すということになれば、トヨタの世界戦略にとってはさらに厳しい販売環境となりそうだ。

 そのトランプ大統領が、米国車を日本で売ろうとすれば関税を課して売れなくして、日本は米国向けには何十万台と船に積んで売りにくる(趣旨発言)と「公正ではない」(unfairness)と言っている問題で、安倍首相は「日本に関税障壁はない。米側に誤解があるなら伝えていくのは当然だ」(報道)と度々述べて、2月10日の日米首脳会談で日本の立場を説明すると国会答弁でも述べている。

 (4)トランプ大統領の意図は米国内、工場での製造販売により雇用増進、自国利益確保が目的発言であり、これまでの日本側の「関税障壁はない」発言では納得するはずもなくて、米国第一主義を掲げて米国の対日本貿易赤字解消に向けて強硬姿勢を取り続けてくるだろう。

 米国に誤解があり、関税障壁がないとすれば、安倍首相も国会、国内向けばかり説明をくり返すだけでなく、早く米国政府に対して「誤解」を解く努力をすべきだ。安倍首相にもトランプ大統領との電話会談などで機会はあったのだから、どうもトランプ大統領発言、大統領令に対する及び腰の姿勢が目についてよそよそしいのが気がかりだ。

 (5)難民など入国拒否の大統領令でも、国内外の反発、司法による一部取り消し判決にもトランプ大統領は正当性を主張して、後の責任はかえりみない姿勢、主義があらわれて、それでも日本政府とすれば懸案の日米貿易、自動車貿易摩擦に対しては言うべきことは筋を通してキチンと言わなければ「公正」ではない。

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