(1)トランプ次期大統領の1月20日就任式が間近に迫った。共和党有力議員や著名人がこの就任式への出席を拒否して、これまで著名人気歌手が大統領就任式で国歌を斉唱してきたが今回はすでに辞退が報道されている。
先日も著名米女優が映画表彰式でトランプ次期大統領の障害記者を揶揄(やゆ)する態度(映像が放送されている)を批判して、これにトランプ次期大統領がツイッターでそんなことはしていないと反論して映画表彰式そのものをエリート同士の慣れ合いだと批判し、大統領選の白人マイノリティ対政治的、社会的エリートの対立で自らが政治的エリートに勝利した構図をそのまま持ち込んでいた。
(2)トランプ大統領の誕生を巡って米国政治、社会が分断(separation)に陥って深刻な火種となっている。
公民権運動を推進してきた民主党の黒人有力議員が「私はこの次期大統領を正当な大統領とはみていない」(報道)と批判して、30年の議員生活で初めて就任式を欠席する」(同)と表明している。
この就任式に日本の元衆院議員で現県知事が旧知の共和党関係者の招待で就任式に出席する(同)とあった。現状米国政治、社会の分断対立の中でどういう意図を持って就任式に出席するのか、これからの日米関係を考えれば公務を差し置いて就任式に出席してトランプ共和党政権関係者と良好な関係を話し合えるとでもいうのか、よく意味がわからない。
(3)県知事とすれば、トランプ新政権誕生によるあたらしい不透明で微妙な日米政府関係の進展に配慮して慎重な判断、行動が求められている。トランプ次期大統領はこうした相手、国の突出変化にはつけ込む手法が巧みだから気をつけたほうがよい。
(4)米国は今、寛容な(generous)心を見失っている。米国は自由主義、理想主義国として世界の政治、経済、軍事をリードして、あたらしい価値観、人種、自由を絶えず積極的に受け入れてきた先進国だ。その寛容な心が自由で多様な幅広い国家観を形作ってきた。
しかしその米国ではこれも国内人種差別問題が長い歴史の中で一貫して深刻な社会問題として残り、二面性を排除できないできた。
そして今またトランプ次期大統領の米国第一主義、保護主義理念の中で、白人マイノリティ対エリートの対立感情が格差問題として政治、経済、社会を分断させる要因となっている。
(5)初めての黒人大統領オバマ政権の誕生で、弱者救済政策のオバマケア(皆保険の医療保険制度改革)も国民過半数からは支持されずに、議会でも廃止が可決された。
米国の寛容さは自由主義、理想主義を実現するダイナミズム(dynamism)ではあるが、絶えず人種問題の分断格差社会を抱えて理想と現実の間で苦悶してきた国だった。
オバマ大統領の理想主義が現実的な成果につながらなかったことも、米国覇権主義を夢見る既成政治への国民の不満となってトランプ現象としてあらわれたとみる。
(6)米国の自由主義、理想主義、寛容さがパラドックス(paradox)として排他的社会思想も育ててきたともいえる。
その異常性の結果としてのトランプ次期大統領の誕生となったのではないのか。今こそ米国の寛容さを取り戻して、ひとまずトランプ政権を注視すべきである。
先日も著名米女優が映画表彰式でトランプ次期大統領の障害記者を揶揄(やゆ)する態度(映像が放送されている)を批判して、これにトランプ次期大統領がツイッターでそんなことはしていないと反論して映画表彰式そのものをエリート同士の慣れ合いだと批判し、大統領選の白人マイノリティ対政治的、社会的エリートの対立で自らが政治的エリートに勝利した構図をそのまま持ち込んでいた。
(2)トランプ大統領の誕生を巡って米国政治、社会が分断(separation)に陥って深刻な火種となっている。
公民権運動を推進してきた民主党の黒人有力議員が「私はこの次期大統領を正当な大統領とはみていない」(報道)と批判して、30年の議員生活で初めて就任式を欠席する」(同)と表明している。
この就任式に日本の元衆院議員で現県知事が旧知の共和党関係者の招待で就任式に出席する(同)とあった。現状米国政治、社会の分断対立の中でどういう意図を持って就任式に出席するのか、これからの日米関係を考えれば公務を差し置いて就任式に出席してトランプ共和党政権関係者と良好な関係を話し合えるとでもいうのか、よく意味がわからない。
(3)県知事とすれば、トランプ新政権誕生によるあたらしい不透明で微妙な日米政府関係の進展に配慮して慎重な判断、行動が求められている。トランプ次期大統領はこうした相手、国の突出変化にはつけ込む手法が巧みだから気をつけたほうがよい。
(4)米国は今、寛容な(generous)心を見失っている。米国は自由主義、理想主義国として世界の政治、経済、軍事をリードして、あたらしい価値観、人種、自由を絶えず積極的に受け入れてきた先進国だ。その寛容な心が自由で多様な幅広い国家観を形作ってきた。
しかしその米国ではこれも国内人種差別問題が長い歴史の中で一貫して深刻な社会問題として残り、二面性を排除できないできた。
そして今またトランプ次期大統領の米国第一主義、保護主義理念の中で、白人マイノリティ対エリートの対立感情が格差問題として政治、経済、社会を分断させる要因となっている。
(5)初めての黒人大統領オバマ政権の誕生で、弱者救済政策のオバマケア(皆保険の医療保険制度改革)も国民過半数からは支持されずに、議会でも廃止が可決された。
米国の寛容さは自由主義、理想主義を実現するダイナミズム(dynamism)ではあるが、絶えず人種問題の分断格差社会を抱えて理想と現実の間で苦悶してきた国だった。
オバマ大統領の理想主義が現実的な成果につながらなかったことも、米国覇権主義を夢見る既成政治への国民の不満となってトランプ現象としてあらわれたとみる。
(6)米国の自由主義、理想主義、寛容さがパラドックス(paradox)として排他的社会思想も育ててきたともいえる。
その異常性の結果としてのトランプ次期大統領の誕生となったのではないのか。今こそ米国の寛容さを取り戻して、ひとまずトランプ政権を注視すべきである。