(1)トランプ米大統領の就任式に合わせるように1月20日に始まった日本の通常国会での安倍首相の施政方針演説(policy speeches)は「国づくり」(the build of a state)のテーマが並んだ。
①「世界の真ん中で光り輝く国づくり」は、何やらエンターテイメント、小説っぽい感じで美辞麗句の裏に潜む現実が心配で、②「力強く成長し続ける国づくり」ではデフレ脱却を目指しアベノミクスを「ふかす」経済再生、イノベーションで、アクセルとブレーキの踏み間違いが心配だし、③「安全安心の国づくり」では、これまでの安全未確認のままのベースロード電源としての原発再稼働とどうむすびつくのか心配で、④「1億総活躍の国づくり」では働き方改革、女性の活躍、成長と分配の好循環がパラドックッス(paradox)としてデータ分析から現実性、現実味を失い、実現性がまったく心配で、⑤「子どもたちが夢に向かって頑張れる国づくり」では誰にでもチャンスのある教育といいながら、さかんに民進党の前(民主党)政権時代の失政、失敗ばかりを指摘するこきおろしが心配で、ついでに安保法制で若者を戦闘地に導く保守的姿勢が心配だ。
(2)結局は安倍首相が今回の施政方針で述べたそれぞれの「国づくり」の本論は、「おわり」での「憲法施行70年の節目に当たり、~次なる70年に向かって日本をどのような国にしていくのか。~憲法審査会で具体的な議論を深めよう」(演説文抜粋)という、本格的な憲法改正議論の開始宣言に集約されている。
現行憲法は米国に押し付けられた憲法であり、自主憲法制定を目指し、自衛隊を国防軍に改組して、家族制度にまで国の意向を反映しようという国家統制主義、機能の強い自民党憲法草案が出発点だ。
(3)「国づくり」とは国が国民の権利、生活、財産を統制、統括管理して、国体主義の強い国家思想社会を築くことにあるのではないのか心配だ。いつか来た道だ。
国民の働き方を改革するという正規労働と非正規労働の格差解消、女性管理職の登用、成長と分配社会の実現は、政府の主導、お仕着せでは効果、成果をもたらすことはむずかしく、個人、企業、社会の自覚、自発的、自主的なダイナミズム(dynamism)にならないと持続可能性(sustainability)のある実現性はない。
19年10月の消費税10%引き上げ時にどういう社会構造、体質になっているのかが分岐点だ。
(4)安倍首相が「国づくり」、「国づくり」と並べているのは、総裁任期の延長をにらんでさらに3期目以降の首相続投の意思、意向をあらわすものとして受け入れられ、極めて国家的というより安倍首相の個人的概念、願望の強い施政方針演説に聞こえる。
①「世界の真ん中で光り輝く国づくり」は、何やらエンターテイメント、小説っぽい感じで美辞麗句の裏に潜む現実が心配で、②「力強く成長し続ける国づくり」ではデフレ脱却を目指しアベノミクスを「ふかす」経済再生、イノベーションで、アクセルとブレーキの踏み間違いが心配だし、③「安全安心の国づくり」では、これまでの安全未確認のままのベースロード電源としての原発再稼働とどうむすびつくのか心配で、④「1億総活躍の国づくり」では働き方改革、女性の活躍、成長と分配の好循環がパラドックッス(paradox)としてデータ分析から現実性、現実味を失い、実現性がまったく心配で、⑤「子どもたちが夢に向かって頑張れる国づくり」では誰にでもチャンスのある教育といいながら、さかんに民進党の前(民主党)政権時代の失政、失敗ばかりを指摘するこきおろしが心配で、ついでに安保法制で若者を戦闘地に導く保守的姿勢が心配だ。
(2)結局は安倍首相が今回の施政方針で述べたそれぞれの「国づくり」の本論は、「おわり」での「憲法施行70年の節目に当たり、~次なる70年に向かって日本をどのような国にしていくのか。~憲法審査会で具体的な議論を深めよう」(演説文抜粋)という、本格的な憲法改正議論の開始宣言に集約されている。
現行憲法は米国に押し付けられた憲法であり、自主憲法制定を目指し、自衛隊を国防軍に改組して、家族制度にまで国の意向を反映しようという国家統制主義、機能の強い自民党憲法草案が出発点だ。
(3)「国づくり」とは国が国民の権利、生活、財産を統制、統括管理して、国体主義の強い国家思想社会を築くことにあるのではないのか心配だ。いつか来た道だ。
国民の働き方を改革するという正規労働と非正規労働の格差解消、女性管理職の登用、成長と分配社会の実現は、政府の主導、お仕着せでは効果、成果をもたらすことはむずかしく、個人、企業、社会の自覚、自発的、自主的なダイナミズム(dynamism)にならないと持続可能性(sustainability)のある実現性はない。
19年10月の消費税10%引き上げ時にどういう社会構造、体質になっているのかが分岐点だ。
(4)安倍首相が「国づくり」、「国づくり」と並べているのは、総裁任期の延長をにらんでさらに3期目以降の首相続投の意思、意向をあらわすものとして受け入れられ、極めて国家的というより安倍首相の個人的概念、願望の強い施政方針演説に聞こえる。