いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

アメリカ的。 americalike

2017-01-10 19:54:18 | 日記
 (1)近年はロシア・プーチン大統領に存在感が移っているとはいえ、世界でひとり飛び抜けた経済超大国アメリカの大統領たるそのトランプ次期大統領が1月20日に正式に就任してトランプ米政権が始動する。

 GDPで世界第2位の中国にも桁違いの大きさを示す米国に、ある意味ではふさわしい(suitable)政治経験のない不動産王といわれたトランプ次期大統領であるが、大統領就任1週間ちょっとを切った現在でも昨年当選してから1度も記者会見を開いていない。

 (2)年明けに記者会見を開くとの情報であったが延期された。その間も得意のツイッターでは自らの方針にそぐわないことに対しては、毎日のように攻撃をくり返している。

 トランプ次期大統領の親露寄り発言に批判的な人には「バカ」(報道)呼ばわりをして、メキシコに自動車工場を建設する予定の米大手自動車企業のフォードには高い関税(35%)をかけると脅し、方針を撤回させた。

 (3)その余勢をかって今度はやはり関税優遇のメキシコに工場進出を進めているトヨタにもツイッターで同様の脅しをかけている。
 米国フォードはさっそくメキシコ工場進出を撤回して米国内に建設する方針転換を表明して、トヨタは米国内でも工場を展開して雇用促進をはかっていると説明に追われて今後米市場に1兆円投資を表明して、トランプ次期大統領のツイッター発信に戦々恐々の有り様だ。

 (4)世界に名だたる大企業をツイッターひとつで従わせるとは、影響力が減退しているとはいえさすがに米国次期大統領の威厳を示すものだが、これでこれまで一度も国民、世界向けに記者会見を行わずに決まっていたものまで延期して姿、言葉をあらわさないとはどういう計算なのか、いらぬ詮索もしたくなる。

 (5)トランプ現象は、トランプ次期大統領が減税、インフラ投資拡大で国内雇用促進を進めるとの憶測が先行して、世界的な株高現象を呼び込んで就任前から景気感を底上げしているが、実際1月20日に就任してどういう理念、政策、方針を発表するのかを見なければ本当のところはわからないというのが大方の予想、見方だ。

 (6)その期待感を記者会見を開かずに先延ばしして、都合のいいツイッター発信で効果を先延ばししている戦略なのか、政治経験のない弱点を隠すためにできるだけ時間をかけて準備、勉強しているためなのか、次々に次期政権の閣僚、スタッフ人事は進めているのだから側近とも政権発足に向けて協議、検討、準備はしているはずだから、この期に及んでの国民の前にあらわれて記者会見でトランプ政権の理念、政策、方針を示さないのは理解できない。

 (7)米国大統領としてはふさわしくない行動だ。トランプ次期大統領は昨年の選挙戦中も相手候補者の中傷に終始して米国史上最低の大統領選挙と酷評されて、政治家としての資質に問題はあった。それを選んだのは米国民だ。その後、その国民に直接何も語ろうとしない次期大統領をどう思っているのだろうか。

 政治家の役割、仕事の大きなひとつが直接自分の言葉で考えを国民に伝えることにある。たとえば青島元東京都知事が政見放送だけで選挙戦を行わずに都知事に選ばれてから、都知事の凋落(ちょうらく)が始まったとみている。

 (8)プーチン大統領に立場が移ったとはいえ世界に影響力の大きい米国大統領たるものが、ツイッターだけで重要課題について従わないものを攻撃するやり方はアメリカ的(americalike)とはいえない。
 

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