いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

原爆の日と日本政府。 the day of atomic bomb and the government of japan

2017-08-08 19:58:03 | 日記
 (1)日本で8月6日、9日といえば72年前に広島、長崎に原爆が投下された日で、一瞬にして数十万人の命が奪われた惨禍に絶えない忘れることができない追憶、追悼の日だ。

 日本政府も毎年この原爆の日式典に首相が出席して追悼と誓いの言葉を述べているが、今年はこれに直前になって国連で核兵器禁止条約が120以上の国、地域が参加して締結された。

 (2)今年の広島原爆の日では、安倍首相は「唯一の戦争被爆国として『核兵器のない世界』の実現に向けた歩みを着実に前に進める努力を絶え間なく積み重ねていく」(あいさつ文)と述べているが、その日本は核保有国ともども今回の核兵器禁止条約には参加していない。

 理由は北朝鮮など核保有、開発国のすべてが参加しない条約では実効性がないことをあげている。

 (3)随分と政治的配慮、見解による自己利益、都合によるものだが、それなら安倍首相の広島原爆の日の「あいさつ」とは随分とかけ離れた政治的なもので、こちらの「あいさつ」も随分と政治的配慮、見解に満ちた美辞麗句で真実味が伝わってこないものだった。

 政治がこんな二律背反を平気で平然とやっているところに国民から信頼、信用、尊敬されない本質がある。

 (4)安倍首相としては広島原爆の日直前の国連で締結された核兵器禁止条約に参加しなかった事情、理由についても説明すべき重要なことであった。
 国連の核兵器禁止条約にも参加せずに、広島原爆の日のあいさつにも日本政府の方針、理由を説明できないのなら、原爆の日式典に出席して「核兵器のない世界」の実現などと平然と述べるべきではなかった。

 ちなみに広島原爆の日にメッセージを寄せた国連事務総長は国連加盟国は核兵器禁止条約を採択したことを世界的な運動の努力の結果と述べている。安倍首相と国連事務総長とのあべこべの立場のあまりの認識の違いだ。

 (5)ロシアのプーチン大統領はEU、米とのクリミア半島編入対立で一時核兵器使用の準備(報道)をしたと述懐しており、またパキスタンのムシャラフ元大統領はインドとの対立で核兵器の使用について検討したことを懐古談(報道)として述べている。

 その影響を考えるならば判断に夜も寝れなかった日々が続いた(同)とも言っており、現実的に今日的世界で局地的といえども核兵器が仮にも使用されることになれば終生の人間、環境破壊影響から地球、世界全体の終焉(the end of the world)を意味するものだ。

 (6)それを決断できる指導者は、72年前の広島、長崎の原爆投下の惨禍を思い描くことだ。
 広島、長崎原爆の日は仮に地球上から核兵器が一掃される日が来ても、その祈り、追悼は続く。それが日本政府の本質的な立場である。
 

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