いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

英国の無原則、無秩序、無益。 unprinciple , disorder , uselessness of england

2019-04-03 20:32:02 | 日記
 (1)英国のEUからの離脱合意案が下院で否決され続けている。合意なき離脱が現実のものとなりそうな政治状況だ。英国がEUから離脱するのにEUと英国がものわかりよく理解を示して了解、合意するのは大変けっこうな話ではあるが、理想的すぎる話だ。

 英国がEUの方針に反発、反対してEUから一方的に離脱しようというからには、離脱交渉を始めれば困難が生じるのは容易に考えられることだった。

 (2)英国がEUから一方的に離脱することを表明した時点で「合意なき離脱」はもっとも現実性のある、可能性のある方法論として考えられて、いうなら「ケンカ別れ」のところがあるからだ。

 EUはヒト、モノ、カネの自由往来を基本理念として欧州諸国をひとつの連合体とする政治、経済、平和の壮大な実験場として構成されたもので、アフリカ難民の大量流入、受け入れを巡って英国が反発してかねてからドーバー海峡を挟んでEU統一に距離を置いていて、ユーロ通貨への統一、財政破たん、債務国への支援で不満のあった英国が国民投票の離脱優勢結果を受けてEU離脱を決めたものだ。

 (3)EUは統一、連合体を維持するために離脱に関しては高い壁を規約で設けており、離脱交渉は難航が予想された。英国が国民投票でEU離脱を決めたものだからもはやEUの了解、合意など必要はなく一方的な離脱を実行してもおかしくはなかった。

 EUの方針、基本理念に反発して、反対して離脱するという英国とEUが合意などできるはずもない不文律でしかない。規約に従ってできるだけ双方にダメージの少ない合意をはかろうとしたものだが、極めて理想的で良心的、友好的な対応であり、パラドックス(paradox)として現実的なものではない。

 (4)トランプ大統領はロシアが戦略核兵器の削減に努力しないとして一方的にINF条約からの離脱を表明した。ロシアとの条約離脱交渉を事前にするわけでもなく、自国の不利益を理由に一方的に離脱を表明したものだ。

 核保有国同士として理論的に方法がないのか考えるべきだが、自国の利益を守るために条約から離脱するのに相手側の了解、合意など期待しないのが不文律だ。

 (5)たとえばトランプ大統領が仮に英国首相であれば、今回のEU離脱などもともと合意など頭になく、求めずに、期待もせずに一方的に離脱したのではないのか。その極端な想定方法論がいいのか悪いのかは別にして、離脱というのは誰かが了承するから、双方合意でというのは考えにくい双方の利益反比例の関係が普通だから、今回の英国とEU、英国内の首相と議会の合意案の不調、混乱は当然のなりゆきであり、一種の不可思議な思いでながめている。

 (6)EUと英国の経済的なつながり、むすびつきの大きさ、利益対効果の影響力を考えての試行錯誤の顛末(てんまつ)なのだが、「離脱」というのは「決裂」であり、合意など理想像でしかないものだ。

 EUと英国の合意なき離脱が現実味を帯びて、国境管理強化、物流、人交流停滞により経済的損失は大きい危機だが、覚悟の国民投票離脱優勢によるEU離脱だったのではないのか。

 (7)そうでなければ英国の判断、選択は国、国民として無原則(unprinciple)であり、無秩序(disorder)であり、無益(uselessness)なものだった。
 そのとおり英国の現状は無原則であり、無秩序であり、無益で覆われている。

 

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