いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

米中のあたらしい戦争・内政干渉。 new war , intervention in domestic politics

2020-06-01 20:02:12 | 日記
 (1)情報化時代、社会の情報戦争は熾烈(しれつ)だ。日本では企業人が産業機密を中国関係者に渡した事件(摘発)があったが、トランプ大統領は中国が長年にわたって産業機密を窃取する違法なスパイ活動をしてきたとして「安全保障上の脅威がある」(報道)とみなした中国からの留学生や研究者の入国を停止する命令(同)を出した。

 (2)中国全人代が香港を直接統治する「国家安全法制」を成立させたことに対する対抗制裁措置だ。中国とはこれまで経済貿易戦争を展開してきたが、コロナ感染拡大で経済、貿易はそれどころではなく今回は香港統治問題を巡って香港ビザ、関税優遇措置の取り消し、中国留学生、研究者の入国停止で対中国対抗に打って出た。

 (3)中国側は「完全なる内政干渉」だと主張して定例会見で「外部勢力の誤った行為に必要な措置」(報道)で対抗すると報復を示唆している。産業スパイから米大学院の研究を守るために中国からの留学生、研究者の入国を停止するのは学術研究の国際協力、国際化、発展からは望ましい対応とはいえないが、中国からみればこれも米国の国内問題であり、香港統治問題への外部関与は内政干渉といいながらこちらの方は「必要な措置を講じて断固として対抗する」(同)では手前勝手の都合主義で理解、説明がつかない。

 (4)安保理(オンライン協議)では中国の「国家安全法制」の成立を巡って、米、英と中国が非難の応酬をくり返して対立が先鋭になっている。非難の応酬も理論、主義、思想があきらかになって国際的評価、信用、良心の判断の材料にはなる効果はあっても建設的、本質的論議にはならずに、宣伝主張合戦でしかない安保理の討議だ。

 子どもからみたら安保理大国の「拒否権」などはどう考えても理解できない不可解な権利であり、これが世界の安全、平和、権利を論議、討議する国連の重要な安保理であることに国連の役割、調停、期待に限界を示す不条理性(unreasonableness)だ。

 (5)中国が今回、香港直接統治の影響力を示す「国家安全法制」の成立を急いだのは、昨年「逃亡犯条例」改正案が香港市民デモの圧力で香港政府が完全撤回に追い込まれたことに中国政府の存在、威信、権威を示す同法成立であり、外国からの批判、非難には「内政干渉」(intervention in domestic politics)として突っぱねる織り込み済みの強権性だ。

 (6)「国家安全法制」が香港基本法(憲法)の現体制50年継続規定に抵触することについてはどう理解するのか、外国勢力の香港関与を持ち出すのなら中国の身勝手、矛盾に説明がいるだろう。

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