いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

87才の叶わぬ夢。 an impossible dreaming of 87 years old

2020-06-06 20:02:00 | 日記
 (1)77年に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父横田滋さん(87)が昨日亡くなった。人生100年時代でまだ健在で娘の帰国を待ちわびてもらいたかったが、心労も重なったことは推察される。

 02年9月に当時の小泉首相が電撃的に北朝鮮を訪問して当時金正日総書記と会談し、金総書記が北朝鮮の拉致を認めて翌月に拉致被害者5人の帰国が実現した。

 (2)小泉首相と金総書記の会談には当時官房副長官の安倍首相も同行して、日朝首脳会談、北朝鮮の拉致容認、拉致被害者5人帰国にいたる政治的事情については、どうしてそういう運びになったのかよく熟知しており北朝鮮対策には政治的事情で話せないことはあるが方法論(methodology)は理解している。

 (3)北朝鮮が金総書記自ら拉致を認めその後拉致被害者5人を帰国させたことが何を意味するのか、いくつか考えられるところはあるが、安倍首相には当時官房副長官としてかかわった経緯から政治的背景、事情はよくわかっている。

 安倍首相は事あるごとに「政府としてさまざまな動きを見逃すことなく、チャンスをとらえて果敢に行動したい」として「この内閣で必ず解決する決意で拉致問題に取り組む」(報道)と述べている。

 (4)この言葉が02年小泉首相の訪朝から拉致被害者5人帰国までの政治的事情を熟知している安倍首相として今後も拉致被害者救出帰国に可能性のあるものとして述べているものなのかどうか、北朝鮮は安倍内閣には一切話し合いを拒否するものであり、厳しい態度だ。

 北朝鮮が拉致を認めて(国家としては関与していないと言っているが)、日本人拉致被害者5人を帰国させたことは日朝関係にとって相当思い切った表明、意思表示であり、被害国日本としてはこれも相当思い切った北朝鮮の責任での拉致被害者全員の帰国に向けた北朝鮮対策を遂行していくいい状況だった。その機会を捉えられなかったのは残念なことだった。

 (5)これまで北朝鮮の国内拉致被害者調査、再調査、同機関の設置は報じられてきたが、回答は型通りのあいまいなもので進展はなく、時間の浪費となった。金正恩体制では拉致問題は核実験、ミサイル発射強行で立ち消えになっている。

 当時の政治的事情を熟知している安倍首相としてはやるべきことがあるのではないのか。

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