(1)自民党派閥パーティ券裏金問題で自民党がすべての所属国会議員に対してアンケート調査した結果を公表した。現職国会議員82人、支部長3人に総額5.8億円の不記載があると明らかにした。今後、聞き取り調査90人と合わせて党内で処分を決める。
85人が裏金議員ということはすでに「裏金」ではなく、党として不正政治資金の「浄化」(マネーロンダリング)でしかない。
(2)これは企業でいえば企業内調査、処分であり、公のものではなく、本来は厳正な行政処分が求められる。国民は税金負担は源泉徴収票で厳格に査定されて、所得隠しがあれば行政処分の対象となる。政府でマイナンバーカードを導入して、これまで把握不十分の宝くじ、賞金など臨時収入分など国民すべての収入、所得を把握して税収を高める制度を導入している。
(3)国会議員も85人の政治資金規正法による収入不記載があきらかになったのであれば、意図的な「所得隠し」であり「訂正」ではすまない。政治資金規正法は「会計責任者」を行政、刑事処分の対象として共謀性がなければ国会議員は行政、刑事処分の対象とはならないとしているが、自民党調査だけで裏金行為が85人の国会議員となれば、企業、国民との処分比較の公平、公正性から「知らなかった」でのおわび、訂正で終わらせる問題ではない。
(4)最終処分は選んだ国民有権者が選挙で判断、審判するものだが、それまで待てない意図的で悪質な裏金行為の政治責任はある。東京地検特捜部も3千万円以上の裏金受領議員は逮捕してそれ以外は不問としている判例主義からやむをえないところはあるがおかしな捜査になっており、自民党若手議員から公平、公正性から裏金議員に離党、議員辞職を求める声もある。
(5)国会としてもせめて特別(立法)に議員活動の一時停止処分ぐらいできないものか、企業、国民との行政処分の公平、公正性への不満、反感は大きい。今国会で岸田首相は政治資金規正法の改正を実現すると言明しているが国会答弁ではどこまでできるのか、やるつもりなのか伝わってこずに、自民党調査での85人の国会議員の裏金不記載の結果をみればそれでは「時遅し」の感はある。
(6)裏金議員への「時遅し」はそのまま次回選挙での国民有権者の厳しい判断、審判への「時間」でもあり、政府、国会、自民党、野党としてもやるべきこと、やれることはすみやかに実施することが国民から与えられた政治責任の「自ら」の取り方だ。