ひびレビ

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「デジモンアドベンチャーtri. 第1章『再会』」を見て

2015-12-18 00:00:55 | デジモンシリーズ
「デジモンアドベンチャーtri. 第1章『再会』」のブルーレイが届いたので観賞しました。


 アポカリモンとの戦いから6年、ベリアルヴァンデモンとの戦いから3年が経過し、八神太一は17歳になっていた。ヤマトたち選ばれし子供たちも成長し、それぞれの道を歩んでいる中で、太一は自身の進路を決めかねていた。ヤマトや空と同じ高校通ってはいるが、8人が集まる時間はなかなか取れなかった。心に抱くのは「友達に会いたい」という思い。だがそれは、歪んだ形で実現してしまう。

 ある日、太一はサッカーの試合に赴いていたが、突如としてクワガーモンが出現した。太一はクワガーモンを追うが、クワガーモンは街を破壊した後に太一に狙いを定める。壊れゆく街と、逃げ惑う人々に太一の心は揺れ動く。自分1人ではどうしようもできない。そんな思いが友に通じ、デジヴァイスを通じてアグモンが駆けつけた!
 アグモンはグレイモンに進化してクワガーモンと戦う中、突如出現した空間の歪みに吸い込まれ、戦いの場所を羽田空港に移す。残された太一を戦いの場に送ってくれたのは、クラスの副担任・西島だった。彼や、彼の知人の姫川はゲンナイとも通じており、クワガーモンのような感染デジモンについても独自に対処してきたが、手に負えなくなったため、太一たちの力を借りようとする。

 これまでにない強さを誇るクワガーモンの前に、グレイモンは敗北。さらに2匹の別個体のクワガーモンが出現するが、同じく駆けつけたピヨモンたちが進化してクワガーモンを消すことに成功する。だがクワガーモンのデータは、歪みへと吸い込まれていった。残る1匹に苦戦を強いられるガルルモンだったが、突如現われた巨大な手により、歪みの向こう側へと連れて行かれるのだった・・・

 翌日から、テレビではデジモンを未確認生命体として扱い、人々は街を破壊したデジモンに恐怖を抱き、排除して欲しいと願っていた。ヤマトたちはそれを快く思わなかったが、太一はクワガーモンが街を破壊したのは事実だと受け止めていた。
 成長し、変わっていく太一は、色んなことが見えて、分からなくなっていた。自分たちがやるしかない。それは分かっているが、単純な話ではない。だがヤマトにしてみれば、それは目の前の現実から逃げているに過ぎない。

 太一が答えを出す前に、これまでに無い規模の歪みが発生する。そこから出てきたのは究極体・アルファモンだった。アルファモンは太一たちの学校に転校してきた望月芽心、彼女のパートナーであるメイクーモンを執拗に狙う。
 太一が戦いに戸惑う中、ガルルモンたちはアルファモンの前になすすべなくやられていく。しかし、このままでは皆壊れてしまう、自分たちにしかできない。ヤマトの言葉を受けて、太一は立ち上がる。アグモンとガブモンは成熟期、完全体、究極体へと姿を変え、遂にオメガモンへと至る。対するアルファモンは究極戦刃王竜剣を召喚する。
 オメガモンとアルファモン:王竜剣は激しい攻防を繰り広げ、オメガモンの至近距離からのガルルキャノンが決まろうとした瞬間、アルファモンは歪みの向こう側へと撤退していった・・・

 ヒカリたちが芽心とメイクーモンという新たな仲間ができたことを喜ぶ一方で、太一の心はまだ吹っ切れていないようで・・・



 と、いうわけでそんな感じの第1章は、高校二年生になった太一が主役でした。「勇気の紋章」の持ち主である太一ではありますが、大人になる中で色んなことが見えてきて、それによって戦いに迷いが生じてしまっていました。今までは目の前に現われた敵を倒していれば良かったかもしれませんが、成長して落ち着きも現われてきて、そのうえ現実世界での戦いともなれば戸惑うのは当然のこと。
 かつて現実世界でもヴェノムヴァンデモンが大暴れしていましたが、あの時はなかなか周りを見る余裕も無かったのでしょう。今回の太一は成長し、幾多の戦いを潜り抜けてきたからこそ、心に余裕が生まれていたのだと思います。自分や仲間、敵の動向だけでなく、周囲により目が行くようになった。それはすばらしいことですが、それによって今一歩が踏み出しきれなくなってしまっているように感じました。
 アルファモンとの戦いの中で吹っ切れたかのようにも見えましたが、オメガモンがガルルキャノンを放つ直前、壊れた街の光景を思い出していました。「もしオメガモンの攻撃が外れたら」「もしオメガモンにより誰かが傷ついてしまったら」と考えてしまったように見えます。そんな太一の心の揺れを感じ取ってか、オメガモンは一瞬光になりかけていました。もしかしてあの時点からジョグレスは解除されかけていたのかなぁ・・・と。
 ラストは雲の切れ間から光が差し込むシーン。太一の心が青空のように澄み渡るのはいつの日か・・・
 
 ストーリーとしては、上記のような太一の葛藤に加え、感染デジモンの出現なども描かれていました。
 ①最近、少なくとも1年ゲート使用不能。
 ②デジヴァイス機能不全
 ③お台場周辺に電波障害・停電が発生
 ④電波障害により、優先以外のネットワークに不具合
 ⑤原因不明の空間の歪み、デジタルワールドと繋がり、出てきた。
 ⑥ゆがみを通って出てきたデジモンは原因不明の変異を起こしている。
 といったことが光子郎により解説されました。原因不明の暴走に陥った感染デジモンを元に戻す術は、今のところ見当たらず。カギとなるのは新キャラクター・望月芽心とそのパートナー・メイクーモンのようですね。そしてメイクーモンやアルファモンの動向を見張るかのように、ハックモンもこっそり登場!これはジエスモンを期待してもいいんですよね!?あわせてシスタモンの登場、お待ちしております。


 ここからは太一と以外の選ばれし子供たちについてみていきます。

①本宮大輔、井ノ上京、火田伊織、一乗寺賢
 物語冒頭で、シルエットながらも登場した選ばれし子供たち。服装からしてデジタルワールドにいたようですが、ゲートが使用不能なのにどうやっていったのか。そしてどうやらアルファモンに敗北した様子。まぁ、京と伊織だけじゃデジモンも成熟期止まりだし、いくらインペリアルドラモンといえども、1体でアルファモンの相手は厳しいでしょう・・・そのインペリアルドラモンですが、第2章のポスターにでかでかと登場しています。もしかして第2章の敵はインペリアルドラモン!?

②石田ヤマト
 まさかのティーンエイジウルブズ解散で驚愕。音楽性の違いって、一体何があった・・・バンドを変えてもヤマト目当てのファンはいるようで、彼の人気が伺えます。コショウの適量を語り、携帯を肩ではさみながら大根を桂剥きにするバンドマンの高校生とは一体・・・
 相変わらず友情に熱く、クワガーモンとガブモンたちが一緒に扱われていることに一番不満を持っていたのも彼でした。だからこそ、今回の件を冷静に見つめる太一に突っかかっていったのでしょう。ヤマトの言うように、確かに昔の太一ならば「俺たちが感染デジモンを追い返してやろうぜ!」ぐらいは言ってもおかしくないと思います。
 かつてヤマトは太一が一時的にいなくなった際、仲間がバラバラになっていくのを目の当たりにしていますし、後に太一をリーダーだとも認めています。いつでも皆を引っ張ってきた太一だからこそ、しっかりして欲しいという思いがあったのでしょう。何も太一を嫌っているわけではなく、リーダーとしてしっかりして欲しいという信頼と願望故の言動や行動だったと思います。
 ところで「太一!オメガモンだ!」という台詞がサラッと出てきて、「え!?そんな簡単になれるの!?」と思い、ちょっと笑ってしまいました(苦笑。

③武之内空
 てっきりもうヤマトと付き合ってるものかと思ったら、どうやらそうでも無い様子。太一とヤマトがイケメンになったとミミから指摘されて焦る空ですが、02最終回を見ているので「もう迷いなど無いのさ!」と言いたくなります(笑。
 太一のサッカーの試合と、ヤマトのライブ。どちらも大切に思っているようで、スケジュール管理や服装をあれこれと決めかねる姿が可愛らしかったです。太一とヤマトにうまいこと話の場を作ってあげたりと、いいお姉さんっぷりも見られました。

④城戸丈
 第1章では出番控えめ。大学受験を控えているため、西島の仲間から要請があった時も断っており、アルファモンとの戦いの現場にもいませんでした。それでもデジモンたちのことは大切に思っており、ゴマモンが「来ちゃった♪」と自分を訪ねてきてくれた時は、嬉しそうに抱きしめていました。
 志望校欄の「福祉学校」という文字から察するに、医療系の大学に進むようですね。しかし結果は芳しくない模様。第2章では究極体に進化したゴマモン(ヴァイクモン)と共にポスターに移っていますが、デジモンとの再会が彼にどういった影響を与えるのか、楽しみです。
 ちなみに彼女ができたそうです。あれか、アーマゲモン襲来時に自転車を借りた女性か!(違。


⑤泉光子郎
 相変わらずの頭脳担当。太一とヤマトが意見を言い合っている後ろで、ひたすら語り続けていましたが、気づけば話はウーロン茶に移っていました。やめろ!お前がウーロン茶の話をするのはパソコンにとっての死亡フラグだ!
 現在は起業したアメリカの友人を手伝って、マンションの一角にオフィスを構えるほど成長。こんな立派な息子をもった泉家の両親も登場しました。
 帰国して可愛くなっていたミミに対して、照れる場面が多かったです。そして更にオシャレに目覚め、自分用の着せ替えソフトまで開発する始末。ただし服はネット通販で購入。如何にも光子郎らしいですね。
 さすがにパソコンはデジモンアナライザーのままではありませんでしたが、別のパソコンでアルファモンの解析をしていました。名前だけとはいえ「空白の席の主」のデータがよくありましたね・・・
 太一の新たなゴーグルを開発したのも光子郎。ゴーグルは大輔の手元にあるようで何よりです。新たなゴーグルは歪みを発見する機能つき。あんな小さなゴーグルに、よくそんな機能を仕込めたなぁ・・・その他、デジモンたちの緊急避難場所をサーバー上に作ったりと、テントモンたちがなるべく一目に触れないよう、それでいて自分たちが街中で調査できるように頑張ってました。


⑥太刀川ミミ
 可愛くなって帰国!02初登場時の髪型と比べると、大分落ち着いた感じがしますね。
 突然現われたクワガーモンとの戦いで疲れたところへ、姫川に連れられて登場。その変わらぬ明るさで、場を和ましてくれました。
 彼女も丈と同様、第2章のポスターに登場しており、傍らにはロゼモンの姿が。ドラマCDでもう進化してるんで、特に驚きは無いです(笑。

⑦高石タケル
 丈に彼女が出来たと知った時の一言「相手、人間?」・・・可愛かったタケリューはどこへいったのでしょう(汗。
 女の子にも結構人気があるようですが「一番好きなのはお兄ちゃん」とのこと。初代では「お兄ちゃん」だったタケルも、ヒカリとの会話の中では「兄貴」と呼んでいました。誰と話すかによって、呼び方を変えているのかな?
 ちなみに冒頭で大輔たちが倒れるシーンが映った際、同時にD-3も映ったのですが、それを見てタケルのデジヴァイスがD-3に変化していることを思い出しました(汗。進化シーンでもちゃんと彼だけD-3だったので安心です。

⑧八神ヒカリ
 こちらはこちらで、太一と同じサッカー部員に人気の模様。太一とヤマト、お互い人気者の妹と弟を持つ身として、色々大変そうですね。とりあえず可愛い。
 デジモンが出現したと判明する前に嫌な気配を感じ取っている素振りを見せたりと、相変わらずの不思議な感知能力を持っているようでした。

⑨望月芽心
 新キャラクター。メイクーモンをパートナーとしており、アルファモンを前にしてもメイクーモンを守ろうとしたりと、気弱そうに見えて芯はしっかりとしている子だと感じました。
 鳥取からの転校生で、アルファモンから守ってくれたことに対して「だんだん」(ありがとう)と感謝を述べていました。「ぼくらのウォーゲーム!」でも出てきた言葉なので、てっきり島根の言葉だとばかり・・・
 メイクーモンと一緒にいるところを見ると、テイマーズ夏の劇場版に出てきた美波とラブラモンのようにも見えてきます。


 ここからはデジモンに関して。
 まずは何と言ってもアルファモンの登場!無言でメイクーモンを狙い、流れ作業のようにガルルモンたち成熟期デジモンを吹き飛ばす様は、さすがロイヤルナイツといったところです。おまけに完全体や究極体の技を喰らっても殆ど怯まず、コキュートスブレスによって凍らされても、目が光ったと思ったら自身を覆っていた氷を粉砕!俺のアルファモンがこんなに強いのは当然なのですが、思っていた以上に強くて驚きました(笑。
 メイクーモンを狙うという明確な意思はあるようですが、それがアルファモン自身の意思なのか、はたまた操られてのものなのかは分かりません。羽田空港でクワガーモンを歪みに引きずり込んだ腕はアルファモンでしょうし、一体何が目的なのやら。
 また王竜剣を使う際は印を切っていたようにも見えましたし、更に王竜剣使用時にはちゃんと羽根が生えました!これだよこれ!羽根あってこそのアルファモン:王竜剣なんだよ!アルファモンのデザイナーズカラー版とかで、羽根の追加を切に希望します。
 さすがにガルルキャノンを至近距離で喰らうのはまずかったのか、一時歪みに撤退・・・あの、王竜剣置いてってましたけど、回収しましたか・・・?(汗。


 アグモンたちパートナーデジモンももちろん全員登場。ただ残念だったのは、技名を叫んでくれなかったことです。久々に聴きたかったなぁ「ヘブンズゥナックル!!」。
 クワガーモンと一緒くたにされて可愛そうではあったものの、彼らが良い子たちだと知る太一の母親が「アグちゃんとテイルちゃん」と呼んでいたのを聴いて、凄く和みました。

 アグモンとガブモンはオメガモンへの進化も果たしましたが、その過程においてメタルグレイモン、ワーガルルモンからウォーグレイモン、メタルガルルモンに進化していたように見えたのですが、彼らも究極進化出来るようになったんですかね?
 今回のオメガモンの胸のマークについては、宝石を勇気と友情の紋章が取り囲んでいるかのようなデザインでした。今後も出てきてくれるとは思いますが、今の太一の精神状態だと、アルファモンに勝つのは難しそうですね・・・  


 それにしても、これまで成長期7体に負け、ピッコロモンに負け、パイルドラモンに負け、ロイヤルナイツに負け、クロスウォーズで一掃されていたクワガーモン系統が、まさかここまで強敵として描かれるとは思いもしませんでした。
 「感染デジモン」と呼ばれていますが、デジモンで感染というと、Xプログラムや粒子化ワームを思い出します。デジタルワールドでXプログラムによるデジモンの淘汰が始まり、それにより消去されかかるも何とか克服したデジモンたちが人間界に逃げ延び、アルファモンはそれを粛清するために動いている・・・のかな。クロニクルにおけるオメガモンの位置に、アルファモンがきた感じかも。

 テレビでは危険な生物扱いされているデジモンですが、この時点で世界中に選ばれし子供たちがいますし、ダークタワー破壊の際やアーマゲモン出現時にデジモンのことを知った人も多いはず。だから太一の母親のように、いいデジモンと悪いデジモンがいることを知っている人もいるでしょう。ただ、事情を知らない人から見れば、怪物同士が争いあっているようにしか見えないでしょうし、どちらが味方かも分からないでしょうね。私も目の前にスナイモンが現われたら警戒します(汗。あの見た目でワクチン種というのも、にわかには信じがたい話です。


 キャラクター以外だと、時折懐かしいBGMが聴こえてきたので嬉しかったです。
 また、冒頭チラッと映った英語の教科書が「One Vision」だったことにグッときました。この教科書で最初に覚える単語は「MATRIX EVOLUTION」ですね(笑。


 太一の葛藤、ヤマトの思い、丈の悩み、暴走する感染デジモン、ロイヤルナイツの介入、国家機関の動向などなど、第1章から様々な人物・デジモンの動きが描かれた、新たなるデジモンアドベンチャー。面白かったのですが、進化・戦闘シーンはちょっと気になりました。
 進化シーンを凝るのは良いことですが、ちょっと長いようにも感じます。個人的には「逃げたり~」と歌が始まったところで戦闘に移ってもらいたいところ。また、戦闘シーンにおいてはもっとデジモンたちに喋ってもらいたいですね。折角オメガモン系女子2人が声を当ててくださっているので、それを堪能させてもらいたいです。あと技名は叫んでもらいたかった・・・!

 ともあれ、次回の第2章も楽しみです。
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