ひびレビ

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相棒16 第16話「さっちゃん」

2018-02-15 08:09:08 | 相棒シリーズ
相棒16 第16話「さっちゃん」

 最近「花の里」に足しげく通う男・烏丸晃司。冠城は烏丸と幸子が良い雰囲気になっていることを気にしているようだった。そんな彼の後押しもあって、2人は休みの日に会うことに。だがそこで暴力事件に関わってしまい、烏丸はトラウマから相手に必要以上に元ボクサーの拳を奮ってしまう。
 幸子は烏丸を突き放すように自分の過去について語り、烏丸は「ノーマス(もうたくさんだ)」と言ってその場を立ち去る。

 その後、烏丸は何の関係も無い金融会社で起こった殺人事件の現場にて、刺されて倒れているのを発見された。何故烏丸はそんなところで倒れていたのか。あの夜何があったかを探るべく、特命係が動き出す・・・


感想
 「幸子さん、あなたはもう・・・」と右京さんが言いかけた時に「やだー!『このお店に縛られなくていいんですよ』とか言うんじゃないよねー!?」と物凄く心配になりましたが、ひとまずこれからも幸子さんが「花の里」に立ち続けると知って心底安心しました。

 さて今回は珍しく幸子さん回。シーズン4の「ついてない女」に始まり、シーズン6の「ついている女/狙われた女」に続き、シーズン10「つきすぎている女」にて「花の里」の女将となった幸子さん。今回久々に彼女の過去に触れられましたが、彼女もなかなか壮絶な人生を歩んできました。そんな彼女だからこそ「人はやり直せる」という言葉に人一倍説得力があります。

 そんな彼女に興味を抱き、幸子自身も悪からず思っていた男性・烏丸。彼もまた前科があるものの、今はやり直すことが出来ていた人物でした。しかし暴力事件をきっかけに幸子の過去を知ることとなり、それでもなお彼女のことを思い続けていた時に別の事件に遭遇し、結果的には捕まってしまうことに・・・
 その行為が正義感によるものだったとしても、拳を使っていなかったとしても、自分の犯した罪を素直に受け入れた烏丸。彼もまた、きっとやり直せることでしょう。彼が幸子に教えたファイティングポーズの使い方が良かったですね。

 烏丸が事件に巻き込まれた後、「花の里」にやってきて明日は休みなのにポテトサラダを作ったのかと問う右京さんに対して「明日は店開けます!杉下さんに任されてる大事なお店なんですから!・・・ごめんなさい、変な意味じゃなくて・・・ごめんなさい、ごめんなさい・・・」と謝る幸子さん。
 ここでいう「変な意味じゃなくて」とは、こんなことがあった翌日でも「右京さんに任された」お店だから開ける、つまり「花の里」に立つことに右京さんに責任を感じさせる・・・という意味ではない、ということですかね。

 事件が一応の解決を見た後、落ち込む幸子さんに対する右京さんの言葉が印象に残りました。 
 「自分のせいで誰かが不幸になる。それは随分傲慢な考え方だと思いますよ」
 「彼は、彼の人生と戦い、その結果を背負っているんです。あなたと同じように。僕や冠城くんが、あなたと関わって不幸になりましたか?たとえ何かあったとしても、それは我々自身が受け止めるべきものです」

 生きることとは戦うこと。昔見たアニメでもそんなことを言っていたように思います。自分自身の人生と戦い、その結果を背負い、受け止めていく。それを幸子が責任を感じて背負おうとするのはあまりにも傲慢な考え方だと。他人の戦いの結果までをも背負う必要は無いけれども、その重さや喜びを隣にいて支えあい、分かち合える人がいたら、それは幸せなことなのかもしれません。

 幸子自身、笑顔でお店に立ちつつも過去を悔いたり、このまま終わるのかと思ったり、「もうたくさんだ」と思うこともあるようで。まぁなんやかんやで事件に巻き込まれたり、警察関係者がぞろぞろと来たりしますしね(汗。居場所がある今が幸せだとは思っていても、それ以上の幸せを望むことは当然のことでしょう。
 「もうたくさん」。しかし、そういった人間は再び立ち上がり、戦い続けた。烏丸からの励ましを受けて、幸子もまた戦い続ける。あのお店に立ち続ける意味がきっとあるはず。現にあのお店にいたおかげで右京さんは習慣を保てているわけですからね(笑。
 ともあれ、やはり人生とは戦い。「もうたくさんだ」と思っても立ち上がり、常に自分自身と戦い続け、意味や目標を見出し続けていかなければならないのでしょう。


 そして過去シリーズにも出てきた、田村も再登場。どうやら出所してやり直せているっぽいですね。彼もまた幸子に救われた者の1人です。未だに幸子への想いがあるようですが、それはまたしても受け止めてはもらえず・・・ここまで一途だと、応援したくなりますね(笑。


 「こんな『ときめきクライシス』はプレイしたくないなぁ」と思ったところで、また次回。シーズン4での「月本幸子」のテロップの出し方は秀逸だったなぁ・・・
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