ありがとうイクイノックス、ありがとうパンサラッサ

　というわけで、先日ジャパンカップを争ったイクイノックスとパンサラッサ、二頭の引退が決まりました。

　個人的にこの二頭といえば、2022年の天皇賞・秋が思い起こされます。パンサラッサの脅威的な大逃げ。それを最後に捉えた天才の一撃。ウマ娘を始めるまで競馬に全く興味が無かった私が、競馬で泣かされることになろうとは夢にも思いませんでした。大逃げが決まるか、差すか。最後の瞬間まで勝敗が分からない、最高のレースは今でも時折見返すほど大好きなレースです。
　イクイノックスはそこから有馬記念から今年のジャパンカップに至るまでGⅠ6連勝での幕引き。天覧競馬となった2023年秋の天皇賞ではレコードタイムを叩き出し、ジャパンカップでは再び逃げるパンサラッサを捉え、三冠牝馬リバティアイランドを寄せ付けない圧倒的な走り……本当に笑ってしまうくらいに強い馬でした。勝つたびに「このままずっと勝ち続けて欲しい」という思いが強くなり、レース前の緊張感と先頭で無事走り抜けた後の安心感は忘れられません。

　そしてパンサラッサ。こちらもウマ娘きっかけで逃げ馬を応援する身としては、ロマン溢れる大逃げがいつも楽しみでした。負けたとはいえ、天皇賞・秋、ジャパンカップで見せてくれた大逃げが脳裏に焼き付いて離れません。そしてサウジカップではジオグリフに抜かれるかと思いきや、逃げ続けての見事な1着。逃げをロマンで終わらせず、勝利を現実のものとするカッコよさは忘れられません。

　欲を言えば、というか当然ながらイクイノックスには秋古馬三冠の記録にも挑んでもらいたいですし、パンサラッサの大逃げは何度だって見てみたいですが、無理に挑んで怪我をしては元も子も無いというのも理解出来ます。いつかイクイノックスとパンサラッサの子の対決や、何ならキタサンブラックとイクイノックスの子供同士が対決する日だって来るかもしれません。そんな新しい夢が見られる日を期待しています。

　この先ずっと忘れられない、最高のレースをありがとうイクイノックス。ありがとうパンサラッサ。寂しいけど、本当にありがとう。これからも無事に過ごして欲しいですね。