舞いあがれ! 第14週「父の背中」
新年第1回目の放送は悠人と浩太さんの衝突から始まりました。
悠人は悠人なりに会社や家のことを心配しているが故に、わざわざ忙しい時間の合間を縫って工場を見学したんでしょうし、倒産した会社を見てきたからこそ、その言葉には説得力があります。言い方は多少きついものではありますが、家族だからこそ変に包み隠さず、本音をぶつけたかったのでしょう。それを感情論で否定され、自分が悪者みたいにされては、そりゃ悠人の気分も悪くなりますって……
思うに、悠人と浩太さんが見ている「現実」は異なるのが、意見が食い違う原因でしょう。悠人が見ている「経済」「経営」も現実であれば、浩太さんが見てきた「歴史」や「人」もまた現実。それぞれがそれぞれの「現実」を直視しすぎているために、すれ違ってしまうんだろうなと。
そして、現実を直視し続ける悠人の「自己満足」「無責任」という言葉は、舞の胸にも深く刺さりました。今の舞は、入社が延期になってたまたま時間が空いたから工場を手伝っているだけのこと。第13週でも舞に手厳しい一言を放った山田さんが言うように「沈みそうな船で、一人だけ救命胴衣をつけている」状況に他なりません。
舞が暇つぶしや無責任な気持ちで工場を手伝っているわけではない、というのは分かります。ですが、パイロットになれば工場を離れるのも事実。容赦の無い現実を突きつけられたからこそ、悠人との会話で舞は何も言い返せず、ただただ動揺するしかなかったのでしょう。その戸惑う気持ちを、柏木には伝えられなかったのが少々不安です。
パイロット(夢)と工場(現実)のどちらを選ぶか。自分の気持ちを大事にして夢へと進むか、周りの人間を大事に思い夢を諦めるか……かつて両親も同じような選択に迫られ、結果、夢を諦めることとなりました。今度は舞がその選択に迫られているわけですね。
もうどうにもならないかもしれない。そんな弱音に対して「しゃあない。そん時はそん時や」と諦めることを許してくれる笠巻さん、一緒にお好み焼き屋や漫才コンビでもやってくれるという梅津さん。こうして弱音を受け止めてくれる人物のありがたみも身に染みます。章兄ちゃんも、恐らくは試作品開発するまでギリギリ転職の話を待ってもらっていたんでしょうね……
そして浩太さんが選んだのは、工場を存続させる道。リスクがあると指摘されながらも選んだその結果は……そんな時でさえ、笑顔で「舞が自分の夢に向かって頑張っているのが嬉しい」「悠人もいつか本当の夢を見つけてくれると信じている」と言える浩太さんの優しさよ……誰も見捨てない、見捨てられない。甘さとも優しさとも取れるその気持ちが、今回の結果に繋がってしまったのがより一層哀しいです。
さて、今週のサブタイトルは「父の背中」。この言葉から連想されるのは「頼もしさ」「いつの間にか年老いた」などですが、今回は……そんな「父の背中」、見たくなかった……!ここ最近は厳しい現実に直面してきた岩倉家ですが、更に容赦の無い現実が突きつけられることとなりました。この時、映像がブレているのが心情を表しているようで猶更辛い。
次週は舞が悠人に頭を下げてIWAKURAへの投資を依頼するようですが、実際お金がいくらあったとしても、事業を継続するための具体的な計画が無ければ投資したところで意味が無いでしょう。「実家を救いたい」などという感情だけで動き、結果焼け石に水で終わってしまっては、悠人の信用にも関わります。
新年早々不安渦巻く本作。果たしてここからどう挽回していくのか……
新年第1回目の放送は悠人と浩太さんの衝突から始まりました。
悠人は悠人なりに会社や家のことを心配しているが故に、わざわざ忙しい時間の合間を縫って工場を見学したんでしょうし、倒産した会社を見てきたからこそ、その言葉には説得力があります。言い方は多少きついものではありますが、家族だからこそ変に包み隠さず、本音をぶつけたかったのでしょう。それを感情論で否定され、自分が悪者みたいにされては、そりゃ悠人の気分も悪くなりますって……
思うに、悠人と浩太さんが見ている「現実」は異なるのが、意見が食い違う原因でしょう。悠人が見ている「経済」「経営」も現実であれば、浩太さんが見てきた「歴史」や「人」もまた現実。それぞれがそれぞれの「現実」を直視しすぎているために、すれ違ってしまうんだろうなと。
そして、現実を直視し続ける悠人の「自己満足」「無責任」という言葉は、舞の胸にも深く刺さりました。今の舞は、入社が延期になってたまたま時間が空いたから工場を手伝っているだけのこと。第13週でも舞に手厳しい一言を放った山田さんが言うように「沈みそうな船で、一人だけ救命胴衣をつけている」状況に他なりません。
舞が暇つぶしや無責任な気持ちで工場を手伝っているわけではない、というのは分かります。ですが、パイロットになれば工場を離れるのも事実。容赦の無い現実を突きつけられたからこそ、悠人との会話で舞は何も言い返せず、ただただ動揺するしかなかったのでしょう。その戸惑う気持ちを、柏木には伝えられなかったのが少々不安です。
パイロット(夢)と工場(現実)のどちらを選ぶか。自分の気持ちを大事にして夢へと進むか、周りの人間を大事に思い夢を諦めるか……かつて両親も同じような選択に迫られ、結果、夢を諦めることとなりました。今度は舞がその選択に迫られているわけですね。
もうどうにもならないかもしれない。そんな弱音に対して「しゃあない。そん時はそん時や」と諦めることを許してくれる笠巻さん、一緒にお好み焼き屋や漫才コンビでもやってくれるという梅津さん。こうして弱音を受け止めてくれる人物のありがたみも身に染みます。章兄ちゃんも、恐らくは試作品開発するまでギリギリ転職の話を待ってもらっていたんでしょうね……
そして浩太さんが選んだのは、工場を存続させる道。リスクがあると指摘されながらも選んだその結果は……そんな時でさえ、笑顔で「舞が自分の夢に向かって頑張っているのが嬉しい」「悠人もいつか本当の夢を見つけてくれると信じている」と言える浩太さんの優しさよ……誰も見捨てない、見捨てられない。甘さとも優しさとも取れるその気持ちが、今回の結果に繋がってしまったのがより一層哀しいです。
さて、今週のサブタイトルは「父の背中」。この言葉から連想されるのは「頼もしさ」「いつの間にか年老いた」などですが、今回は……そんな「父の背中」、見たくなかった……!ここ最近は厳しい現実に直面してきた岩倉家ですが、更に容赦の無い現実が突きつけられることとなりました。この時、映像がブレているのが心情を表しているようで猶更辛い。
次週は舞が悠人に頭を下げてIWAKURAへの投資を依頼するようですが、実際お金がいくらあったとしても、事業を継続するための具体的な計画が無ければ投資したところで意味が無いでしょう。「実家を救いたい」などという感情だけで動き、結果焼け石に水で終わってしまっては、悠人の信用にも関わります。
新年早々不安渦巻く本作。果たしてここからどう挽回していくのか……