ある掲示板で次のような質問を受けました。
<エナメル線のように細い単線でケーブルを作られるメーカーをどのように思っておられるのか興味深々であります。>
この方は今まで「SPの外に音が広がる」音や「壁を突き抜けて音場が広がる」経験をお持ちでないそうです。それでいてフルカワの太いケーブルで懲りたと云って細いケーブルに執着なされているようです。それで上手く鳴らないと云って数百万のSPを次々に交換されています。リビングでのオーディオとの事なのでケーブルの取り回しが大切なのも理解でします。
細いケーブルは使い勝手の面からだけ言えば「正解」です。ユーザーが何をシステムから望むのかが見えないので答えようがありません。
客観的に考えれば「情熱」をかける処が違うような気もします。従来の機器紹介型オーディオ雑誌や仲間内で楽しくやられているようなので当方がコメントを挟む必要はないと思います。
私もアマチュア時代は「ケーブル」にはほとんど目を向けていませんでした。当然「SPの外に音が広がる」経験もなかったのですが、音質向上で何が効くんだ??と色々と実験を重ねて行くうちに1本のケーブルとの出会いが決定的になりました。
ブラックスーナーΦ11㎜のケーブルです。その後ブルースーナーやブラックでもΦ6㎜のケーブル等、スーナーケーブルも色々試してみまして、現在の特注ケーブルを使うに至りました。
現在最低価格のシリウスSCR‐11でも「SPの外側に音が広がります」。ただし、これは全てのケーブルのグレードが揃っての事です。
1か所にSCR-11を使って他の処が「細いエナメル線」では効果は有りません。電気の流れは「水の流れ」と一緒です。水量=情報量になります。水量を流す「パイプ」がケーブルに当たります。当然水量を多く流すには管径を大きくするかスピードを速くするかしか有りません。この時点で「細いエナメル線」ではどうしようも有りません。管径もスピードも稼げません。1か所のケーブルを交換したぐらいではどうしようもないのです。いつまで経っても進歩のない状態でSPを次から次に渡り歩く羽目になるでしょう。それでも「満足な音」にはいつまで経っても届きません。発想の転換が必要です。
長岡氏のお勧めの〇倉ケーブルも使って見ましたが、「清楚」な感じでバランスは良いのですが「音数」(情報量)が全く足りません。〇〇カワのケーブルも試しましたが私の「琴線」には触れません。はるかに径が小さいブルースーナーにはすぐに「琴線」が触れました。
出会いが有るかないか、早く来るか遅く来るかはご本人の「情熱」としか言いようが有りません。