現在の「DD66000(エヴェレスト)」や「S9800SE」等のJBLのサウンドと、1970年代のプロ用ユニットの「スタジオモニターシリーズ」(#4320~4343~4350等)、それ以前の「コンシュマーユニット」時代(パラゴン・オリンパスやランサーシリーズ等)のサウンドとは随分とイメージの違うサウンドがしている様に思う。まったくの「別物」と呼んでもいいのかも知れない。
私は長い間#4343を使ってきたが、オリンパスやSP-707Jを購入するにおよんで4343を手放しました。
音には「オンの音」と「オフの音」が有ると思っていますが、コンシュマーユニットから「オフの音」を削り取ったのが「プロ用ユニット」と判断しています。ものの見事に「雰囲気音」が消えています。「音数」が全く違うんですね。
現在のJBLのサウンドは更に「プロ用ユニット」から「エネルギー感」を絞り取ったようなサウンドで、「聴き易く」はなったが「JBLのオリジナリティ」が相当薄くなった様に感じます。
一言で「JBLサウンド」と云ってもその時代で大きく変わっていますので、各人の認識をしっかり持っていないと、混同しますと話が通じません。
私はJBLの古い時代のユニットが素晴らしいと思っています。ウーハーもドライバーもシリアルNoの若いもの(古いもの)に、試聴する度交換しています。
JBLも企業で有る以上「コストダウン」等の企業努力をしなければならない訳で、HL88やHL90等は鋳型で手作業で作っていたものが、プラスチック成形に変わり・・・と時代に合わせて変わっているんだと思います。当然そこにはユーザーの嗜好やニーズの変化も有ります。
ただ「音質追及」をして行きますとその時代の「SPの鳴らしのテクニック」等が未熟の為「鳴らし切れていなかった」と思っています。
個人的にはJBLの古いユニットに固執している訳ではなくて「良い音楽を良い音で聴きたい」と願うだけです。ただ普通の方と違うのは「SPを作り上げるスキル」を持っている事です。自分の目指すサウンドイメージも有りますが、やって見てはじめて知る世界も有ります。その経験をたくさんする事によってさらにサウンドイメージが正確に拡大していきます。