もう20年以上前になりますが、「福岡ブルーノート」と云うJAZZを楽しむ処が有りました。そこではMJQやオスカー・ピーターソントリオ、チック・コリアトリオ、レイ・ブラウントリオ等の演奏を、目の前で聴く機会が有りました。演奏者との最短距離は2mもない処の最前列の時も有りました。
例えば目の前でミルト・ジャクソンが思いっきりバイブを叩いています。でも全然うるさくないのです。ピーターソンのピアノも激しく弾いているのにちっともうるさくないのです。・・・これが超スーパースター級の演奏なんだと知らされました。
同じ処で2線級のプレーヤーが演奏したのも聴いていますが、こちらはうるさくて「自分で自分の演奏に陶酔して聴き手を無視した演奏」と感じました。
私がSPで最初にショックを受けたのはJBL L-200(スタジオマスター)。ドラムスの音が生演奏を髣髴させるエネルギー感を持って鳴っていました。JBLのユニットを使ったサウンドは「前に出てくる音」にエネルギー感が有り、音のキレがあり、国産SPにない魅力を持っています。
でも、「前に出てくる」だけでは「生演奏」にはならないのです。横方向にも奥行き方向にも音が広がって、「音圧を感じない」サウンドにならないと「生演奏の雰囲気」とは云えません。「福岡ブルーノート」で経験したスーパースターたちの演奏が私のサウンドの基本です。