今はどうなのか知りませんが、私の故郷・福島県いわき市では神様・仏様の事を「のんのさん」と呼んでいます。
薄っすらとした私の記憶では、神様・仏様に対する念仏や祝詞が「のんのんのんのん」っと聞えるから「のんのさん」と言うのだと思います。
仙台に移り住んでから盆と正月には必ずいわき市に里帰りをする慣例でしたが、現在は母方・父方の祖父・祖母が全員亡くなっていますんで、里帰りする機会が無くなったのは寂しい限りです。
そう言えば子供の頃、盆に里帰りして、イチジクの木に集る悪魔の様なルックスのゴマダラカミキリや蝉、バッタをよく捕まえました。時にはシマヘビも。
そのなかに神様のバッタ、「のんのさんバッタ」がいました。まっ、何のことは無い「ショウリョウバッタ」を「のんのさんバッタ」と呼んでいたんです。
ショウリョウバッタはバッタの仲間でも最大級の大きさです。何と言うか「オンブバッタ」の大型版のルックスです。おんぶはせず、何時も一匹でいます。
体も顔も足も細長く動作も鈍い。お世辞にもカッコの良いバッタでは無かったですね。足も簡単に取れちゃうので、あんまり捕まえたいとは思いませんでした。
このショウリョウバッタが、何故神様のバッタ「のんのさんバッタ」なのか。
私は「神様って烏帽子みたいな長い帽子をかぶっていて、このバッタのように長い顔しているからなんだろうな」と思っておりました。昨日まで。
そして昨日、急に疑問を持ちましてショウリョウバッタを検索。そしたら何とショウリョウバッタを漢字で書くと「精霊蝗虫」と書くんですね。
その理由は精霊流しの精霊船に似ているからだそうです。そう言えば確かに似てます。あの長い三日月型の胴体は姿はカヌーの様な船そのものです。
お盆に精霊船に乗ってくる仏様・ご先祖様。つまり「のんのさん」。その「のんのさん」が乗る精霊船に似ているから「のんのさんバッタ」と言っていたのですね。
うーん、40年以来の疑問が今解けました。
呆れるほど時間がかかりましたけど・・・・・・。
ではでは。