続きです。
水木先生が向った場所はラバウルよりももっと山奥の村。電気も水道も通っていない村へボートをチャーターして、セピック川を漕いでの旅です。荒俣宏も同行しました。
セピック川は蛇行した大河で水は飲めません。ペットボトルに水を入れ、一日6時間も漕いで一週間かけて向います。中々の大冒険です。
そして目的地に到着。そしたら水木先生に異変が。
何と真夜中に痙攣して激しく目を剥いてウ、ウ、ウ、ウゥーウーと唸りだしたのです(少々誇張有り)。熱中症だと荒俣宏は思ったようです。
でも現地には医者はおらず。いるのは魔法医者。その魔法医者に治療を頼んだが、全く効果なし。そして病状は益々悪化。同行者はパニックに。
現地人は「これはマサライ(悪い聖霊)に憑依されたのだ」と言います。
水木先生は五分ごとに「オシッコー」と叫んで飛び起き、部屋の箪笥とかを開けてシャーシャー。「先生、止めて下さい」と止めるも、言う事を聞かずシャーシャー。
そして終いには「ウンチー」と叫けび、とんでもない事をしだす。
その場所はヨーロッパの牧師館だったが、キリスト教もマサライの前では全然役に立たず。
そして最後の手段。荒俣宏は水木先生を裸にひん剥き、水木先生の尻を夢中で何度も何度も平手打ちしたのです。魔を追い出すために。
荒俣宏曰く、尻を叩くと悪霊が出て行くそうです。口や頭の先から。
赤ちゃんが泣かずに産まれたときもお尻を叩きますが、それは悪霊を叩き出し亡霊状態から人間にさせる為。だから妖怪や悪霊に憑依されたら、兎にも角にも裸にして尻を叩くしかないのだそうです。
それにしても水木先生は片腕の老人。そして裸。荒俣宏は相撲部屋からスカウトが来た程の巨漢。裸の水木先生の尻を叩く荒俣宏。もう地獄絵図です。最早どっちも妖怪ですよ。
「ミイラ取りがミイラになる」と言いますが、妖怪取りが妖怪になっちゃった感じ。凄すぎる。見たくない。
でも裸にして尻を叩くと悪霊が出て行く。これはSMも同じ原理なのかも。裸にして縛り上げてムチで叩く。それが気持ちいいのは悪霊が出て行くからなのか。
ふと部屋を見渡すと孫の手があった。あれで自分の尻を叩いてみようか。否、それは止めておこう。何か逆効果な気がするし。これは最終手段にしよう。チョット惨めだし。
でも身体を痛めつけて悪霊や魔物を出す。これ、坊さんが座禅をしている人の肩を「渇」と言って平たい棒で叩くのと同じシステムじゃないのか。
瀧行で身体を痛めつけるのも魔物を出すためか。
そういえば登山している人は何故か心が穏やかだ。これって登山での疲労で魔物を追い出したからではないか。
マラソンもそうかな。高校時代、マラソン大会で優勝した同級生がいたが、性格は曲がっていた。これって元々魔が強くて、少しくらい魔が出て行っても大した事が無いからじゃないか。
それと神社へのお百度参りもそうだろう。否、神社に参拝するだけでも魔物は出て行く筈。ダブルの効果が期待できる。だからお百度参りが流行していたのでは。
続く。