続きです。
さて、高校教師の釣友と最初に釣行した時は衝撃でした。彼はプラモデルの設計をしていた程の凝り性だったので、バス釣りもプロはだしだと私は思い込んでいたのです。
そしたら1000円もしないような調子の硬いベイトキャスティングロッドに、これまた1000円もしない様な馬鹿でかいスピニングリールを装着している。素人やんか。
ラインは6号。それなのにノーシンカー(重り無し)。でも、ワームは本格的なゲーリーヤマモト。
何で重りを付けないのかと聞いたら、「ワームが不自然な動きをしてバスに見破られるから」と。
素人なのに、そんなところには変な拘りを持っている。訳が分からん。
私は「それではキャスティング出来ないでしょう」と聞くと、「最初の3年間は全然釣れなかった。でも、釣れる方法を見つけた。ラインを100メートル以上流して、ボートを漕げば釣れるのだ」と。
要はトローリングで釣っていたのです。
確かにスモールマウスバスは人間の殺気を感じ取れる魚の様に思えます。それは確かに理に適っているでしよう。
ても、私はそんな宝くじみたいな釣りなどしたく無い。ポイントを見つけてキャスティングして釣りたい。これではバス釣りの楽しみが台無しだ。
しかも彼はロッドを4本も出している。それを手漕ぎボートでトローリングすると言う。
私がワームをキャストしても彼はボート漕いでいるので、私のワームも彼が動かしている事になる。これでは私が釣りをしているとは言えない。私のロッドを入れた5本のロッドで彼がトローリングをしているだけのこと。そんなことしたらお祭になるの、常識で分かると思うのだが。
案の定、お祭してばかりで全然釣りにならない。彼にはキャスティングは無理。私はボートを漕げないから主導権は握れない。
彼の職業は教師。職業病と言える先生病にかかっている。人の意見を聞かない。人の意見を聞いていたら、教師と言う自分の立場がない。
そんな風に思っているみたいで、中々私の話は聞いて貰えませんでした。
考えてみたら、彼の父親は四万十川の川漁師。
そうだ、川漁師だ。彼は釣りを漁と考えているのだ。
川漁師の息子としてのプライドがある。彼の父親は魚を獲るプロ。だから釣り人の想いが分からないのだ。
私はスモールマウスと釣りを通して駆け引きがしたい。彼はどんな手段を講じてもスモールマウスバスを獲る。その感覚の違いが、互いに受け入れられなかったのだ。
彼は大型のバスが釣れると、持って帰ると言い言い出した。家の水槽で飼うのだと言う。
私はバスの持ち帰りは規制されている筈だと思っていたが、桧原湖のドライブイン??のゴールドハウス目黒でも、水槽で50cm強のスモールマウスバスを飼育している。飼育では許されるのか。
彼の話だと、スモールマウスバスは1匹6000円で売られているとの事。魚を金で考えている。やっぱり漁師の考え方なのだ。これは釣りの楽しさを理解させるのは大変だぞ。
続く。