続きです。
橋姫と言うと、仙台市の真ん中を流れる広瀬川にも橋姫を祀る祠が有ります。この橋姫は広瀬川の治水の為に人身御供になった美しい人間の女性が祀られています。
神道は受代苦の考えが有ります。神が人間の代わりに罪を犯し、その罪の罰を受けます。だから神道の神々は尊いのです。
広瀬川の祠に祀られている橋姫は、治水の為に自分の命を捧げた。神が受けるべき苦悩を受けた。だから神格化され橋姫として祀られた。彼女も人間の瀬織津姫だと言えます。
貴船神社の橋姫は恨みの為に鬼になった。これも人の為に鬼となった受代苦だと言えます。彼女は人を恨み妬む苦しみを味わって、醜い鬼と化したので。
しかし、橋姫よりも上??の段階が有ります。生成、般若、眞蛇です。これは何を意味しているのか。
日本の地主神は蛇です。眞蛇となると私は神だと考えます。その神とは当然、貴船権現である高龗神、闇龗神となるでしょう。
この高龗神・闇龗神ですが、水や雨・雪を司る神々です。高龗神は山峰の雨、闇龗神は谷間の雨を降らせる神とされています。
私的には天の雲を集める足長、水を掬い大雨を降らせる手長と被ります。
貴船権現も仏教の考えが入っているから権現なのです。そして仏教は神道を貶めている。
手長・足長は東北では夫婦、西日本では兄弟の妖怪とされていますが、この神々、高龗神・闇龗神を貶めた姿ではないでしようか。
手長・足長と言うと手名稚命・足名稚命が思い浮かびます。この夫婦の神々には8人の娘がいます。10人家族です。
以前にも書きましたが、両手・両足の指は10本。そうなると指の股は8つ。
手名稚命・足名稚命の娘は櫛稲田姫を除いて八岐大蛇の生贄にされましたが、私は手名稚命・足名稚命の家族こそが素戔嗚尊に襲われた八岐大蛇であると考えます。
八岐大蛇は出雲に流れる斐伊川だとの説もありますが、八岐大蛇は蛇なのです。蛇は水神だと言えます。
手名稚命・足名稚命の家族と素戔嗚尊は武蔵一宮の氷川神社に祀られていますが、この氷川神社の「氷川」は「斐伊川」と考えて良いでしよう。
神道の怨念を持った神々は、「武神、仏教、乱暴者(素戔嗚尊)」を合わせて祀る事で調伏していると考えられますが、氷川神社の地主神は八岐大蛇である手名稚命・足名稚命で、その神々を調伏するため素戔嗚尊を配神として祀っていると思えます。
以上の理由から貴船権現である高龗神・闇龗神は手名稚命・足名稚命なのではないでしようか。
そして川は古来からの境界線です。境界線の神々は大歳神と天知迦流美豆姫。
古代の日本には文字はありません。この天知迦流美豆姫が、天地加流水姫と考えるならば、天から地に降り注ぐ大雨を司る神となります。
私は何度か「天知迦流美豆姫は瀬織津姫の名によって隠されている」と語っていますが、橋姫が瀬織津姫であるなら、高龗神・闇龗神は八岐大蛇である手名稚命・足名稚命、そして大歳神・天知迦流美豆姫ではないかと考えます。
朝廷側としては日本の地主神である大歳神・天知迦流美豆姫が、人々の信仰を集められては困る。現にこの夫婦神を祀る神社は極めて少ない。だからこそ瀬織津姫を創造し、この二神の存在を隠したと考えられます。
その理由は何故か。
それは天照大神が握っていると言えますが、この話はまたの機会に。
ではでは。
玉置神社にも天照大神が祀られています。綱永井さんの説では、玉置神社の本来的な神は瀬織津姫だ、と。
確かに、私もそんな気がしています。地形的にも、悪魔祓い=祓いの御神徳があることも瀬織津姫と合致している。
弓神楽の護符がありますね。玉置神社の社務所にFAXを送ると遠方でも取り寄せが出来るようです。
ということで、今日FAXを送りました。
無事届いたら正月に玄関に飾ろうと思います。
>瀬織津姫。 ... への返信
瀬織津姫は天照大神荒魂である向津媛だとされています。更には天照大神前霊は大歳神です。
伊勢には「お伊勢参りは朝熊を駆けよ。朝熊を駆けねば片参り」と言う歌が有ります。
この朝熊とは朝熊山の事ですが、現在は金剛證寺が鎮座していますが、元々は大歳神を祀る神社がありました。
天照大神の妹神??として稚日女尊(わかひるめ)が存在します。「若い太陽の女神」と言う意味です。愛馬を素戔嗚尊に殺され自害しています。この話、瀬織津姫を指すと言われるオシラサマのストーリーに似ています。
天照大神は天津神最高神ですが、本来は国津神だった可能性がある。天皇家が自分たちの祖神として天照大神を創造したと考えると、全て辻褄が合います。