安東伸昭ブログ

安東伸昭の行動日記

2017年度予算案が閣議決定

2016年12月24日 | 情報
平成28年12月22日

政府は22日、2017年度予算案を閣議決定した。
一般会計の総額は前年度当初比0.8%増の97兆4547億円で過去最大を更新した。
高齢化による社会保障関係費の増大や、税収減による地方交付税の増加が主な要因で、総額で7329億円増えることになった。



◇社会保障費の削減に成功

 国の政策に使われる「一般歳出」は58兆3591億円と0.9%(5305億円)の増加にとどめ、16~18年度の3年間で伸びを5300億円程度に抑えるとした経済・財政再生計画の目安の達成にこぎ着けた。
一般歳出から国債費を除いた「基礎的財政収支対象経費」は73兆9262億円と、前年度の73兆1097億円を上回り過去最高となった。
 17年度予算編成作業では、高齢化による自然増がかさむ年金、医療、介護といった社会保障関係費をいかに抑制するかが最大の焦点だった。
厚生労働省は概算要求で6400億円を提示。一方、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太の方針)に盛り込まれた経済・財政再生計画では16~18年度の3年間で毎年5000億の増加にとどめる目安を掲げており、1400億円を削減する必要があった。
 財務・厚労両省は、比較的所得の高い高齢者に負担を求める方向で調整。その結果、70歳以上の高齢者の高額医療費の負担上限額引き上げや、後期高齢者医療制度の保険料の軽減特例の縮小、入院時の光熱水費負担の引き上げなどを決定した。この他、超高額のがん治療薬「オプジーボ」の薬価引き下げや、協会けんぽの国庫補助の特例減額などによって増額幅を4997億円まで圧縮した。

◇地方財源、前年同水準は確保

 社会保障費以外では、地方財政関連の増額幅も大きくなった。
地方交付税は入り口ベース(一般会計から交付税特別会計への繰入額)で2765億円増の15兆4343億円。
地方法人税などの特別会計財源を加えた出口ベースの交付税総額は前年度比3705億円減の16兆3298億円にとどまったが、一般財源総額では0.7%増の62兆803億円となり、前年度と実質的に同水準を確保した。

 08年のリーマン・ショック後の経済危機に対応するため創設され、財務省が廃止を求めていた「歳出特別枠」は、2500億円減の1950億円とすることで決着した。

 安倍政権の重点政策課題として位置付けた、
「1億総活躍社会の実現」に向けた予算としては、国費で4931億円増の2兆9352億円、地方の予算も含めた公費では7503億円増の5兆1612億円を計上した。

 この他の主要経費では、防衛関係費が710億円増の5兆1251億円、
エネルギー対策費が327億円増の9635億円、
公共事業関係費が26億円増の5兆9763億円と前年より増額となった。
一方、減額となったのは文教・科学振興費5兆3567億円(13億円減)や、恩給関係費2947億円(474億円減)だった。


◇基礎的財政収支は5年ぶり悪化

 一般会計の歳入は、税収が0.2%増(1080億円増)の57兆7120億円と、8年連続の増収を見込む。
ただ、16年度3次補正予算編成に当たり、法人税の落ち込みなどで当初見通し(57兆6040億円)より1兆7440億円少ない55兆8600億円に下方修正したこともあり、消費税増税の影響を除いても1兆円以上の増収を見込んできた14~16年度当初予算と比べれば控えめな見通しとなった。

 主な内訳は、所得税が270億円減の17兆9480億円、消費税が470億円減の17兆1380億円、法人税が1580億円増の12兆3910億円。

 新規国債発行額は0.2%減の34兆3698億円。7年連続の削減としたが、圧縮幅は622億円と小幅にとどまった。
赤字国債は1092億円減らして28兆2728億円としたが、建設国債が6兆970億円と470億円増加した。

 税外収入は14.7%増の5兆3729億円。外国為替資金特別会計で2兆5188億円の剰余金全額を一般会計に繰り入れたため、同会計からの繰入額が8583億円増えた。
通常は剰余金の3割以上を同特会に留保しているが、17年度は一般会計の厳しい財政事情を勘案した。

 これにより、政策的経費を借金に頼らず、税収などでどこまで賄えているかを示す基礎的財政収支は、一般会計だけで見れば10兆8413億円の赤字で、214億円と小幅ながら5年ぶりに悪化することになった。

 17年度の公債依存度は35.3%と、16年度当初に比べ0.3ポイント改善した。
しかし、税収が伸び悩み始め、新規国債発行額の減額も頭打ちになる中で、経済成長が鈍化し続ければ20年度の基礎的財政収支黒字化の目標達成が厳しい状況になることも予想される。

農林水産省予算概要(iJAMP資料公開)
 2017年度農林水産関係予算のポイント
 2017年度農林水産関係予算の重点事項

29年度地方創生関連予算等について



 





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<糸魚川火災>推定150棟焼く大火 延焼のなぜ 

2016年12月24日 | 災害
平成28年12月24日

糸魚川火災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
対岸の火事と思えない出来事です。
津山市の旧市街地でも起こりうることです。

<糸魚川火災>推定150棟焼く大火 延焼のなぜ 

 


新潟県糸魚川市で発生した大規模火災は23日午後4時半ごろ、約30時間ぶりに鎮火した。
同市災害対策本部によると、全半焼や部分焼を含め推定で約150棟を焼き、被害が及んだ地域は約4万平方メートルに上った。総務省消防庁によると、震災を除き、市街地火災の焼損棟数としては過去20年で最多で、面積では1976年の山形県酒田市の大火(建物焼損約15万平方メートル)以来の規模になる可能性がある。延焼は、なぜ食い止められなかったのだろうか。

火元はラーメン店


木造密集地
被害が出た地域は、JR糸魚川駅前の木造建物が密集している地域。雪よけのための「雁木(がんぎ)」と呼ばれる木製のひさしがつらなっている。
場所によっては、建物と建物の間に人が通る隙間(すきま)もなかった。

「火元のラーメン店の西側には広めの道があり放水できたが、北側と南側は少し離れて狭い通路があるだけ。東側はほぼ放水不能だった」。消防士は当時の状況を振り返る。

糸魚川市史によると、今回火災があった同市大町周辺では1928年にも105棟を焼く火災が発生。火は、今回と同様に南風にあおられて広がっていったという。また、西側にある横町では32年に380棟を全半焼する火災が起きている。

23日に記者会見した米田徹市長によると、被災地区には大正から昭和初期に建築された建物が多いという。「古さが観光の売りにもなっており、住民に愛着もあって、防火のために街並みを変えるというのはなかなかできなかった」。
市長は防災対策が後手に回っていたことをにじませた。【高木昭午、山本有紀】

消防体制
 消防の体制はどうだったのか。糸魚川市消防本部は当初、保有する消防車9台のうち6台を現場に送った。大滝正史消防長は「当日の勤務態勢からみて最大規模だった」と話す。だが火勢は拡大。22日正午には上越市などに、午後1時過ぎには新潟県全域に応援を求めた。長野県の消防も駆けつけ、地元消防団も合わせ最終的に消防車126台、約1000人の態勢になった。

 しかし応援が着くには時間がかかった。例えば新潟市から現場までは約3時間。火が140棟ほどに広がった午後3時半には未着だった。応援組は断続的に到着し、夜を徹しての消火となった。

 「消火用水が不足したのではないか」との指摘もあったが、大滝消防長は「水利は十分に確保できていた」と否定する。国の基準では、約2万平方メートルに一つの消火栓があればよいとされるが、当初延焼が懸念された区域約7万5000平方メートルの中には10カ所以上あったという。農業用水も使え、海岸近くのため海水も活用。だが広がる火の手には、現状の消防力では及ばなかったという。

風で飛び火

 新潟地方気象台によると、糸魚川の22日の最大瞬間風速は南風で24.2メートル。記録の残る2009年以降、12月では4番目に強い風だった。同日の最高気温は20.5度で平年より約11度高かった。「糸魚川では、近くの谷を強い南風が吹き下ろし、空気が圧縮されて気温が上がる。22日もこうなったのでは」と同気象台は推測。糸魚川では午後に雨が降っており、気流が山を吹き下りて乾燥し暖かくなる「フェーン現象」とは異なるとみられる。

 現場で消火活動に当たった消防士によると、出火後約1時間して、ラーメン店から100メートル以上離れた北東側と北西側の建物で、ほぼ同時に煙が上がったという。風で飛んだ火が屋根に移ったようだ。「強風で複数の飛び火が起きた
飛び火した先から、さらに飛び火が生じた」。
糸魚川市消防本部の大滝正史消防長は23日の記者会見で語った。


コメント (1)
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