令和4年1月10日
箕作阮甫の功績 劇や絵本で紹介
160回忌合わせ津山市民ら計画
幕末の対外交渉などで活躍した津山藩医の洋学者・箕作(みつくり)阮甫(げんぽ)(1799~1863年)の160回忌を6月に迎えるのに合わせ、
津山市城東地区住民らが阮甫の功績を紹介する劇の上演やデジタル絵本の制作を計画している。
地元の先人の遺徳をしのび、「津山洋学」のさらなるPRを目指している。
計画を進めているのは、住民団体の城東まちづくり協議会などが昨年11月に結成した「坤輿(こんよ)図識(ずしき)顕彰会」。
阮甫の養子で洋学者の箕作省吾(1821~47年)が記した世界地理書「坤輿図識」を広める活動を展開しており、
省吾と縁が深く、津山洋学の発展に大きく貢献した阮甫をたたえようと企画した。
劇は2023年1月に津山文化センター(同市山下)で行い、市民が出演する参加型の公演を予定。
子どもたちにも阮甫の偉業を知ってもらえるように劇の内容を絵やナレーションで分かりやすく紹介したデジタル絵本も作り、同3月に発行する。
顕彰会メンバーの土山浩司さん(61)は「地元ではよく知られている阮甫だが、市外や全国での知名度はまだ低い。
阮甫を通じて津山洋学、さらには地域の魅力も発信できればうれしい」と話している。
箕作阮甫 津山藩医の子として生まれ、江戸で洋学の大家として名高かった同藩医の宇田川玄真に師事した。
幕府の翻訳員として1853年の黒船来航時にはペリーが持参した米大統領の親書を翻訳。対ロシア外交でも通訳を務めた。
東京大の前身で幕府が洋学研究施設として設置した蕃書調所の教授を務め「日本の大学教授第1号」とされる。