ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「この厄介な隣人、中国」 岡田英弘

2007-02-24 14:14:05 | 
私は仕事柄、守秘義務に縛られているので、以下の文は大幅に脚色してあることを、予めお断り申し上げます。

以前、ある繁華街で中国人相手に仕事をしていたことがあります。紹介を受けての仕事でしたが、飲食店を中心に数店のお店の税務申告でした。Aさんは大陸から来て、苦労してお店を持った方だけに、金銭に対して極めてシビアな感覚の持ち主であったことが印象的でした。

不思議なもので、一度信用されると、次々と人脈が拡がり、仕事的に大きな展開をみせそうな気配が、私を熱心に駆り立てたものでした。ところが数年後、中国人同士で争いが始まったようで、入管への密告やなんやで、お店が潰されたり、暴力事件が起きたりと物騒な気配が漂いはじめたのです。

私がAさんから紹介され、何度か相談にのったこともあるBさんが、私のことを悪し様に罵っていると聞かされたのは、その頃でした。複数の人から聞かされたので、私は戸惑いました。Bさんとは直接の仕事を受けたわけではないし、口論などのトラブルも覚えがなく、恨まれる道理がない。

直接Bさんに問い質したかったが、間接的な噂を元に聞くのは失礼かと思い、悩んでいた最中でした。中国人同士の争いがエスカレートして、ついには殺傷事件まで起きてしまったのです。ついにはAさんのお店は潰され、国外へ逃亡。Aさんと繋がりがあった私は、身の危険を感じて暫くは、その街には近づかないようにしていたため、Bさんの誹謗の真意は分らないままでした。

数年後、隣町の外人クラブでクライアントと飲んでいたときのことでした。私の席に付いたのは中国小姐のC嬢。あれ?と思ったら、以前Bさんのお店で働いていた人でした。彼女も私を覚えていたようで、「センセー、久しぶり~」と嬉しそう。話ははずみ、店を終えたら食事に行く話しになりましたが、思い出したのはBさんが私を嫌っていたこと。

彼女に「私と一緒に居て大丈夫か?」と聞くと、彼女は少し考え込み、やがてニッコリ笑って一言。「あれはAとBの問題。センセー関係ないヨ」とのこと。正直納得いかなかったが、Bの店でチーママを任されていたC嬢の判断を信じてみることにした。

C嬢に連れられて行ったのは、案の定Bさんの経営する店だったが、何の問題もなく美味しい食事を満喫できた。Bさんは不在だったが、Bさんの奥さんが懐かしそうに話しかけてきた。あの噂はなんだったんだ?

謎が解けたのは、表題の本を読んでからでした。要するにAさんを攻撃したかったBさんは、Aと繋がっていた私を攻撃(日本人とグルになっている!!)することで、Aを追いやったらしい。面子を気にする中国人独特の喧嘩の仕方のようだ。そういえば、Bさんが私のことを罵っていると伝えてきたのは、皆日本人だった。そんなの分るか!

中国人とのトラブルにお悩みの方が、いらしたら是非一読されることをお勧めします。目から鱗というか、唖然呆然です。同じ人間とは思えない発想法、それが中国人。
コメント (2)
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