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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

韓国の哨戒艇沈没事件に思うこと

2010-06-04 12:36:00 | 社会・政治・一般
ローテクはバカに出来ない。

今年の春、韓国と北朝鮮の境界海域で、韓国の軍艦(哨戒艇)が突如として爆発して、沈没する事件があった。当初から機雷等による攻撃か、はたまた事故による自沈なのかが騒がれた事件だった。

それが5月末になって、ようやく北朝鮮の魚雷攻撃によるものだと断定された。この海域は水深が浅く、潜水艦からの魚雷による攻撃は難しいとされていただけに、韓国軍のみならず周辺各国は驚いている。

事実上、金一族による金王朝と化している北朝鮮は軍事独裁国家だ。しかし、その軍備は旧式で、基本的な装備は1960年代からほとんど変っていない。当然に疲弊し、石油等の軍需物資も不足しがちであり、訓練不足の旧式軍隊と西側から揶揄される有様であった。

最新の装備を誇る我が国の潜水艦でさえ、水深30メートル以下の水域での魚雷攻撃には二の足を踏まざる得ない。にもかかわらず、北朝鮮の旧式な潜水艇はそれに成功している。

想像はつく。旧式な装備しかないのだから、その装備で出来ることを極限まで突き詰めた成果なのだろう。なまじハイテク兵器に頼りすぎる軍隊よりも、精神的に逞しいことは想像に難くない。

振り返ってみれば、太平洋戦争の烽火を上げた真珠湾攻撃もそうだった。水深の浅い真珠湾に停泊しているアメリカの軍艦を、日本が魚雷攻撃できるはずがないと思い込んだのが、当時のアメリカ海軍首脳だった。

実際、真珠湾攻撃の命を下された日本海軍の幹部たちも不可能だと思っていた。しかし、現場指揮官たちの助言を受け入れて魚雷に小さな羽根を取り付けて深く潜らないよう工夫したため、見事な成果を上げたものだ。ローテクも使い方次第だと思う。

だからといってハイテク兵器の価値が減じるわけでもないが、持てる装備を最大限活用すれば、ハイテク兵器にも出来ないことがローテクで出来てしまうことは、今も昔も変わりないようだ。

もっとも冷静に考えてみれば、今回の事件はあくまで北朝鮮による恫喝行為であって、戦争に直結するものではない。西側諸国が民主主義を採用するがゆえに、戦争を浮黶A平和を求めるはずだとの思惑があっての恫喝行為なのだ。

報道によれば、現在北朝鮮はデノミの失敗などで経済的にきわめて困窮しており、どうしても西側から援助が欲しいらしい。だからこその、今回の魚雷攻撃なのだろう。

もっとも気の毒なことに、過去の事例から今回の攻撃も、いわゆる援助獲得のまえふりに過ぎないことを西側から読まれてしまっている。本気で戦争をやるには、シナかロシアの支援が絶対に必要であり、両国とも北朝鮮の戦争開始を望んでいないため、支援はありえない。

アメリカは現状のまま、北が敵性国家としてあり続けるほうが、外交上好ましいと認識している。最近、逆らい癖がついている鳩ャbモヨの抑えにもなるし、軍事予算維持の口実にもなる。

韓国は表向き北との統合を望むが、そのコストを考えるとやはり現状維持であって欲しいと願っている。あくまで平和的統合が目標であり、特殊部隊(テロ要員でもある)を多数抱える北との地上戦は好ましくないと思っているらしい。

また、なによりも北朝鮮の指導者(支配層でもある)たちも現状維持を望んでいる。このまま平和的に南と統合したって、メリットはないと冷静に計算しているらしい。

要するに誰も戦争を望んでいない。

私としては、真綿で首を絞めるようにじわじわと枯死していただくのが一番。だからアル中患者に弱い酒を与えるかのような援助なら応じてもいいのではないかと思っている。

統一を望む半島の大衆にはお気の毒に思うが、私の予想では北の内部で親シナ派の政権が出来上がり、シナの属国として半島に緊張を維持したままの状態が当分続くと思う。
コメント (4)
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