goo blog サービス終了のお知らせ 

ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ハッブル望遠鏡が見た宇宙 野本陽子、R・ウィリアムス

2010-06-07 09:44:00 | 
視力は大事だよ。

私がメガネをかけたのは、小学校の2年だったと思う。当時から左右の視力が違っていたが、高校に入っての視力検査では、右が0、08の弱視。左がなんと1、5であり、とんでもない開きだと分って驚いた。

どうりで球技が下手になったはずだ。これだけ左右の視力がかけ離れていると、小さな球を扱うスポーツほど難しくなる。開き直った私は、メガネをかけるのを止めてしまった。慣れれば日常生活に支障はなく、そのまま大学までメガネなしの生活だった。

ところが自動車の運転免許を取る段になって、メガネなしでは免許がとれないと分り、致し方なくメガネを作った。ただ山登りの際は邪魔に思い、メガネはつけずに山に登っていた。

大失敗だった。

4年生になり、クラブをセミリタイアして就職活動に精を出し、内定をとれてからクラブの山行に同行したときに初めてメガネをかけてみた。昼間は特段変わりなく、時折汗をふき取ることに面唐ノ思うくらいだった。

しかし、夜になり星空を見て仰天した。こんなに星が綺麗だなんて、ここ数年全く気がつかなかった。メガネなしでは、ぼんやりと薄暗く輝くだけの夜空であった。

ところがメガネをかけて見上げた星空は、まるで別世界。星はまばたくほどに輝き、天の川がうっすらとすけて見えるさまは神秘的だった。この素晴らしい光景に気がつかずに、数年間を過ごしたことを猛烈に後悔するほどの美しい星空だった。

つくづく私は間抜けだと痛感した。多分、大学四年間で一番後悔した瞬間だったと思う。

そんな訳で、私は宇宙を撮った写真を見るのが好きだ。なかでもハッブル望遠鏡が写した星の写真は大好きで、写真集も持っている。率直に言ってNASAのスペースシャトル計画は失敗だったと思っている。でも、ハッブル望遠鏡を打ち上げ、その運用に成功したことは高く評価していい。

大気というベールに覆われた地上では、決して見ることの出来ない素の星の姿はあまりに鮮明で、少し不安を感じるぐらいだ。宇宙は今でも謎多き世界だ。その謎がすべて明かされることはないと思うが、その一端に触れることは人の矮小さを自覚できる。

私に自虐趣味はないが、それでも自然の雄大な姿を前にして謙虚な気持ちになれることを大事にしたいと思います。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする