ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

相撲と野球賭博に思うこと

2010-07-14 17:11:00 | 社会・政治・一般
幼稚な正義感ほど見苦しいものはない。

先月より騒ぎになっている相撲の野球賭博問題のことだ。当初からバカじゃなかろうかと思っていた。相撲の世界が、清く正しく美しく、とでも思っているのだろうか。

相撲に形式美があることは否定しないが、やはり本質は荒々しい闘争を観劇することだ。相撲取はただのデブではない。鍛え上げた筋肉の上に分厚い脂肪の鎧をまとった異形の戦士たちの闘争劇なのだ。

体重100キロを超える大男たちが、全力でぶつかり合い、力を振り絞って相手を押し出し、ねじ上げ、弾き飛ばす。その荒々しさこそが相撲の魅力なのだ。

良き相撲取りであるべき資格は、清廉潔白なことでもなく、高潔な人格を有することでもない。でかくて、強くて、迫力があればいい。

見方を変えれば、平時においてはでかいだけで邪魔な大男たちでもある。近代以前の戦国時代であるならば、彼らのような強い大男たちは兵士として、きわめて有用であった。しかし、平和な時代においては、その巨体は活かすべき適職がなく、むしろ暴力に走りがちな迷惑な存在であったはずだ。

その大男たちに与えられた適職が相撲取りであった。元々がでかくて、強くて、乱暴な連中である。その異才を活かした職業が相撲であっただけだ。

日頃、短いが激しい稽古の後は、たっぷり食べて後は寝るだけの相撲取りが、暇な時間に娯楽にふけるのは当然のことだ。ただ、でかいので目立つため、人前ではくつろげない。だから室内にこもって賭け麻雀や花札に走るのは必然だ。

野球賭博にだって夢中になるのは誰でも同じこと。ウソだと思うなら、高校野球、とりわけ甲子園大会の最中の町の喫茶店やスナックを覗いてみることだ。ネクタイ締めた真面目そうなサラリーマンたちが、野球賭博に夢中になっている。

賭博はいけない?そりゃそうだ。だったら、パチンコの景品を現金化している奴等こそ告発すべきだろう。そっちは知らん顔(警察OBの小遣い稼ぎでもある)して、相撲取りの野球賭博だけ叩くとは、いったいどうゆう了見なのだろうか。

暴力団への資金提供だから悪い。もっともだ。だったら、その元締めである暴力団こそ逮捕しろ。その関連で相撲関係者にも逮捕者が出たのなら、それは犯罪なのだから批難されても当然だ。で、今回、どの暴力団が逮捕されたんだ?

偉そうに相撲取りの野球賭博を批難していた輩の顔と名前こそ、よく覚えておくべきでしょう。その偽善ぶりと、幼稚な正義感を振り回して悦に入る傲慢さこそ、私が唾棄して止まないものなのです。
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