ヌマンタの書斎

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日銀はタブーなのか

2011-10-25 13:13:00 | 社会・政治・一般
日経新聞をはじめとして、日本のマスメディアはあまりに日銀に甘いと思う。

現在の日本が不況の真っ只中であることを否定するのは、財務省と日銀と政府閣僚ぐらいだ。不況の要因はいろいろあるが、その一つに円高がある。

普通、その国の景気が悪ければ通貨は安くなる。いくら大国を気取ったって市場は冷徹に評価する。ドル買い介入のような為替操作なんか、この巨大な通貨市場に通じるはずもない。

一般には、現在の円高はアメリカ・ドル安と欧州のユーロ安が引き起こしたとされる。相対的に円が高く評価されているのだと。

嘘ではないが、正確でもない。

欧米の不況の大きな原因は、やはり3年前のリーマン・ショックによる金融破綻に根ざす。その対策として、欧米各国の中央銀行は大量の通貨を発行して景気回復に努めた。

大雑把な数値だが、3年前の通貨供給量を100とすると、現在は170近いとされている。つまり欧米ではインフレ政策が実施されていたことになる。

ちなみにこの数字、政治学者の福岡政行氏の講演からの聞き覚えなので、少し不確定です。どうも平均値らしいのですが、その点確認していません。でも、欧米が通貨供給量を増やしたのは間違いないでしょう。

一方、我が国の日銀様は第二次世界大戦後のハイパーインフレの記憶が、半世紀以上たった今も忘れがたく、頑なにデフレ政策を堅持している。3年前の通貨供給量を100とすると、現在は104程度だとされる。

現在の国際通貨であるドル、ユーロが通貨供給量を大幅に増やしている以上、日本の円の価値が相対的に上がるのは必然なのだ。

つまり、円高の原因は日銀が作っている。数十億円の為替介入程度で円高が収まるわけがない。あれは、一応仕事してますよ、という言い訳、あるいは誤魔化しとして指弾されるべきものだ。

皮肉なことに、自民党時代に日銀の独立性はより強固なものとなり、今や政府はもちろんのこと、財務省の言うことにさえ耳を傾けない。

この依怙地に愚かな日銀のバカどもこそが、日本を低迷させる大きな原因になっている。円高があるからこそ、大量に輸入される石油や原材料の価格が抑えられているのは事実だ。だが、輸出の低迷は、やはり円高あってのものだ。

日銀のデフレ政策でメガバンクを保護する時代は終わったはずだ。今こそ大量の通貨を発行して、それを震災と人災(福島、放射能被害)の被災地に投入すべきだ。

そのためになら、国債の買い入れはもちろん、できることをすべてやってみるべきだ。

だが、日銀はなにもしない。なにもしないことが仕事だと思っている。一体、マスコミはなにをしているのか。日銀批判をなぜに浮黷驕B日銀はタブーなのか?

日銀という頑固な愚か者を動かすには、もはや世論しかない。世論が動かねば、政府も動けず、霞ヶ関も動けない。それなのに、その世論に強い影響力をもつマスコミが、日銀に関しては知らん顔。

一体、我が国のマスコミ様はなにをしているのだ?
コメント
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