恐怖は、その人の本性を残酷なまでに暴きだす。
そのことを教えてくれた漫画が、表題の作品だった。私はこの漫画を週刊少年サンデーで毎週、楽しみに読んでいた。楽しみといっても、それはどちらかといえば怖いもの見たさの楽しみであった。
この漫画で恐ろしいのは、荒涼たる砂漠でもなければ、そこに棲息する不気味な怪物でもない。本当に恐ろしいのは、先の見えない、希望がもてない極限状態におけるストレスから変貌した人間たちだった。
おそらく、平穏な暮らしのなかでなら良き教師、楽しいクラスメイトであったのだろう。だが、不安に押し潰されそうな重圧のなかで、心の奥底に潜んでいた異常な本能が目を覚ます。
狂気が吹き荒れ、その恐怖が伝染して更なる極限状態を作り出す。だからこそ希望が必要だった。どうしようもない絶望的な状況で子供たちが起した奇跡。
驚愕のエンディングは、決してハッピーエンドとは言いがたい。誰にでもお薦めできる漫画ではないと思う。あのグロテスクな描写と、救いようのない絶望は万人向けではない。
子供の頃に読んだ時は、最後の希望(幼児)の必然性が分らなかった。だが大人になった今なら良く分る。希望があるからこそ、人はどんな絶望の下でも生きられる。主人公たちには絶対に必要な希望であったのだ。
好き嫌いが出る漫画だとは思うが、是非一度は読んでみて欲しい。希望をもつことの大切さがよく分る名作だと思うがゆえに。