ヌマンタの書斎

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韓国への支援

2011-11-15 11:48:00 | 社会・政治・一般

野田首相が妙な約束をしたとの報は、新聞などで読んでいた。

韓国に対して5兆円の支援をするとの報道に、そんな金があるなら被災地の東北復興へと反発が起きるのは分る。分るが、少し違うとも思う。

まず、5兆円がそのまま韓国へ渡されるものではない。どちらかといえば債務保証の性格が強い。正確には金融スワップの一種なのだが、まともに説明すると大変なので、大雑把な理解で失礼します。

背景を説明すると、日本同様(というか、日本をモデルにしている)加工貿易立国である韓国にとって、輸出入に関する決済は全てアメリカ・ドルで行われている。

サムソンやLG、現代などの超大企業がウォン安を利して、飛躍的に輸出を伸ばしていることを思えば、国内に膨大なドル資金があってもおかしくない。しかし、韓国は慢性的にドル不足という問題を抱えている。

韓国は輸出で稼ぐ国ではあるが、同時に輸入大国でもある。この場合、ウォン安は大きな負担となる。事実、韓国の消費者物価指数は近年上昇基調にあり、庶民の生活を直撃している。

また輸入には消費物資以外に、アメリカや日本からの工作機械やノウハウ、特許料などの支払いが占める割合が大きい。そのため支払のためのドル資金が必要不可欠だ。

貿易黒字を溜め込んでいるはずなのだが、にもかかわらず韓国にドル資金は少ない。なにしろ膨大なドル資金を国内で賄うことが出来ず、国際金融市場からドルを借入している。その借入金利の支払(当然、ドルだ)だけでもバカにならない。

なんだって、国内にドル資金がないのか。その理由は貿易外収支にある。韓国人は、外国に家族を住まわせて、国内に残った夫が海外に送金することが多い。いわゆる逆単身赴任だ。

国内の受験地獄から逃れるためであり、またいくら良い成績を挙げて名門大学に入学できても、最後はコネがなければ大企業には入れない。この極めて閉塞的な社会を嫌い、海外に出国する家族が後を絶たない。おおよろ300万人の家族が海外で暮らしているらしい。

輸入が多いだけでなく、この貿易外支出の多さが、韓国を慢性的なドル不足に追いやる。また国策として輸出振興のために意図的(公式には否定しているが)にウォン安を維持するための為替操作をしているから始末が悪い。

その結果、90年代にIMF(国際通貨基金)の管理下におかれる屈辱となった。韓国はこの屈辱(恨)を二度と味わいたくないと胸に誓っている。ところが、現在韓国のドル資金調達に協力(融資)してくれる国はない。

だからこそ、日本に支援を仰ぎざる得なくなった。一番嫌いな国に助けを求めることは、屈辱ではあるが日本に債務保証をしてもらわねばドル資金を調達できない。もう二度とIMFの管理下におかれることは御免なのだ。

現実問題、日本にとっても韓国は大事な輸出市場だ。韓国が再びIMFの管理下におかれれば、日本企業にも大きな悪影響が出る。

なお、韓国に踏み唐ウれることを危惧する声があるが、それは杞憂だと思う。貿易立国である以上、債務不履行(デフォルト)は、事実上国際貿易からの締め出しを意味する。

かつて債務不履行を仕出かした国(アルゼンチンなど)が、その後どれほど苦労しているかを知れば、債務不履行は絶対にしたくないはずだ。あれは南米経済低迷の大きな原因になってしまった。周辺国への悪影響もバカにできないのが、債務不履行の恐ろしいところだ。

現在、実質的に債務不履行の状態にあるはずのギリシャに対し、欧米が支援するのも悪影響が全体に波及するのを恐れるが故である。

本来、韓国経済が破綻したとて世界経済における影響は、それほどたいしたものではない。ただし、それはあくまで実態経済だけの話。現在の世界経済の中で、先物取引を始めとした複雑な金融商品の占める割合は非常に大きい。

この金融の世界に、一国の債務不履行は大きな悪影響を与える。私は今回の野田総理の韓国支援の決断は、おそらくアメリカからの要求によるものだと推測している。

ギリシャの問題に足を引っ張られるアメリカは、もはや単独で韓国を支援する余裕はない。だからこそ、日本に支援をするように求めた可能性は高いと思う。ならば、この支援の話が唐突だったことも理解できる。

通常、この手の支援要請の話は表にでない。私としても確固たる証拠があるわけではない。だから推測に過ぎず、間違っている可能性もある。

国際金融の不安定化を危惧した日米政府の考えは理解できないでもない。でも、ギリシャ支援に反対するドイツなどを観ていると、日本でも反発が起きるのも当然だとも思う。だから、マスコミはもう少し踏み入って報道すべきだと思う。

なぜか日本のマスコミは、韓国のマイナス面の記事はあまり書かない。もう少し事実を報じるべきだと思うのですがねえ。

コメント (3)
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