ヌマンタの書斎

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東京都知事選挙を終えての雑感

2014-02-13 12:27:00 | 社会・政治・一般

意外にも、東京の有権者はまともな判断を下した。

十数年ぶりの大雪の直後だけに、低い投票率となった東京都知事選挙は、予想通り手堅く舛添候補の圧勝で終わった。

東京原住民の私が言うのもなんだが、東京は浮遊層と呼ばれる支持政党を持たない有権者が非常に多い。地方からの寄り集まりだけに地元意識が薄く、つながりも少ないので、マスコミの煽動に踊りやすいのも特徴である。

今回の選挙の特徴は二つある。一つは反・原発である。そしてもう一つは反・安倍政権である。少なくともマスコミはそうなって欲しいと願い、盛んに煽動報道を繰り返していた。

反・原発を口にする候補者は少なくなかったが、そのなかでも大物は宇都宮と細川である。票が分散してしまったと嘆く反・原発マスコミ人がいたが、両者の票を合わせても舛添には及ばない。

東京と云う街は、日本一の消費地でもある。原発を憂う気持ちはあるのだろうが、今の生活水準を落とすのは嫌。だから安易に反・原発に流れなかったのだろうと私は見ている。また、現実的に原発問題を地方自治の問題とすべきではないと判断した有権者も多かった。

だからこそ、小泉という大物を支援者に据えた細川に風は吹かなかった。小泉政権は戦後史の中でも特筆すべき高支持率を誇ったのは確かだが、あれは反・自民党感情を利用した反・経世会政権であり、時代の求める風に便乗した側面が強い。

第一、元々小泉純一郎という政治家は、大派閥にあっても常に孤高の立場を貫いた変人であり、決して派閥のボスにはならず、言いたいことを言うことに固執する少数派の雄であった。

バブルの崩壊により構造改革(政治による利益誘導型政治の打破)を求める大蔵省の手先として格好の素材が小泉であった。いわば時代の波に乗ったがゆえに首相の座に付けた稀有な存在に過ぎない。

反・原発を時代の波だと錯覚させたいマスコミの期待とは裏腹に、東京の有権者は冷静な判断を下したといっていいと思う。だからこその舛添の勝利であった。

ただ無視できないのは、反日自虐勢力の支援を受けていた宇都宮の獲得票が、細川を上回り第二位であったことだ。これは未だに貧困に喘ぐ人が少なくないことの証明に他ならない。

円安と株高により、それなりの景気浮揚を演出したものの、それは部分的に過ぎず、多くの国民はアベノミクスの恩恵には預かれずにいる。これは小泉・鋳?ネ来続く弱者切り捨てによる構造改革路線の結果であり、一概に安倍政権の責任とは言えない。

しかし、未だ結果を出したとは言い難い安倍政権に対する不満の顕われが、宇都宮候補への支持票となったのだと思う。株高の恩恵を受けた富裕階級と、円安により売上を伸ばした大企業だけが、今のアベノミクスの果実を味わっているに過ぎない。

その不満が宇都宮候補への支持につながったのだと私には思える。景気回復を庶民に実感させない限り、安倍政権の未来は暗いことが分かったのが、今回の東京都知事選挙であったと思うのです。

コメント
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