いやはや、世に驚きの種は尽きることはないらしい。
何度か書いているが、私はいわゆるガンダムと呼ばれるTVアニメをまったく観ていない。私の同世代には、このアニメにはまった連中は少なくないのだが、当時私は極度のアニメ嫌いに陥っており、それゆえに観なかっただけだ。
観ていないのだが、その続編やらスピンアウトした作品やらが、未だに人気を博していることは、それとはなしに知っていた。なかでも、ガンダムをプラモデル化した商品が、けっこうな人気であることは、玩具売り場を見れば一目瞭然である。
40代、50代の熱心なガンダム・ファンがいることは知っていたが、私が驚いたのは今どきの子供たちにもガンダムは、けっこう人気であることだ。先日、その謎が解けた。どうもTVアニメで、ガンダムのプラモデル(通称ガンプラ)を活かした新しい番組があり、それが小学生らを中心にガンダム人気の元となっているようだ。
思い出してみると、私がプラモデルに夢中であったのも、丁度小学校高学年から中学2年くらいまでだ。もっとも私が好きだったのは、所謂ミリタリーもので戦車や戦闘機、戦艦など第二次世界大戦も兵器を中心に集めていた。
だから、子供たちがガンプラに夢中になるのも少しは理解できる。そんな訳で知人の子供(小学5年生)から秋葉原で少し古いタイプのガンプラを探したいので手伝ってと頼まれた時も、仕方ないなと思い承諾した。
私は秋葉原はあまり好きではないのだが、あそこは子供だけでは行ってはイケないとされているらしく、どうしも大人の同伴が必要らしい。これは致し方ない。なにせ目抜き通りの看板の多くは、ロリコンアニメおたく向けの、微妙にスケベな広告看板で溢れているのだから。
で、行ってみたら驚いた。最初に行った大手の家電安売り店は広く、沢山の商品があるだけで、それほど驚きはなかった。だが、ここで目的のガンプラを見つけられなかった子供は、クラスメイトから聞きつけた次の専門店に私を連れて行った。
いやはや、驚いたぞ。プラモデルだらけのその店の3階は、ガンプラだらけであり、私は唖然茫然である。こんなに沢山の種類があるとは知らなんだ。それどころか、私の子供の時分には雲の上の道具であったエアーコンプレッサーが1万円台で売られているではないか。
ちなみにエアーコンプレッサーとは、吹付塗装に使う動力付きの器具で、これでプラモデルを塗装すると鏡面のように美しく出来上がる神の道具である。筆塗では決して出来ぬあの美しい塗装面が、今や当たり前のように出来る時代なのだ。こりゃ、おったまげた。
それ以外にも、塗装や改造用のキットが沢山揃えてあり、すぐには用途が分からない道具も少なくない。私がプラモ製作から遠ざかって40年近く、あまりの変化に目がクラクラしてきた。
正直、ガンプラには興味はないが、第二次大戦中のミリタリーモデルには大いに興味を惹かれた。まァ、本の山に埋もれる今の部屋に、今さらプラモを飾るスペースなどないが、仕事を引退したら再び戦車や戦闘機を作るのもいいかもしれない。
子供にとっては、まさに宝の山であり、一時間以上もこの店でフラフラ、うろうろ。私はプラモよりも製作器具に見とれて時間の経つのを忘れるほどである。
秋葉原は、やっぱりディープで濃い街でしたよ。はまるとキリがなさそうなので、少し来るのを控えよう。危ない、危ない。この忙しい時期にプラモなんぞにはまったら、仕事にならんぞね。