ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

覇権国の傲慢さ

2019-07-16 14:29:00 | 社会・政治・一般

覇権国はいつだって傲慢だ。

シナのIT企業ファーウェイに対するアメリカの排除姿勢は、厳しさを増すばかり。果たして本当にファーウェイは、その自社製品にバックドア(裏口)を潜ませて、シナの人民解放軍に協力していたのか。

オランダなど欧州の一部の国で、既にファーウェイのバックドアを発見したとの報道は目にしている。でも、具体的な情報は未だ公開されてはいない。私自身は、それを確認する技術は持っていないので、報道によるしか知るすべはない。

その意味で、このニュースは慎重に扱うべきだと考えてはいる。しかしながら、そのバックドアはあってもおかしくないとも思っている。なぜなら前例があるからだ。

ただしそれはシナではなく、他でもない21世紀の覇権国アメリカによるものだ。すなわちアメリカの国家安全保障局(NSA)による情報収集に、マイクロソフト、アップル、ベライゾンなどが協力させられている。

そのことを暴露したのが元CIA職員のアサンジ氏であり、ウィキリークス騒動として数年前まで世間を騒がしていたことを思い出して欲しい。

アメリカのNSAがやっていたことと、シナの人民解放軍がファーウェイにやらせようとしたことは、本質的には同じことだ。

同じことをやっているようで、それがアメリカならば許されて、シナには許されない。

邪推でしかないが、ヨーロッパがファーウェイ排除にあまり積極的でないのは、このアメリカの傲慢さが一因ではないかと思うことがある。でも、それは日本には許されない。

アメリカの軍事的従属下にある日本としては、素直にファーウェイ排除に協力するしかない。これを生きる為の当然の選択肢と考えるのが、一番現実的ではあるが、その一方陰では屈辱感を持つことも忘れないほうがイイ。

というか、実際にアメリカの兵站戦略の一端を担う日本は、素直に従う一方で、黙って虎視眈々と腕を磨いているのも事実だ。20世紀後半のアメリカ軍の主力戦闘機F15を、世界で唯一ライセンス生産していた日本である。

F15を最強戦闘機足らしめたのは、プラットニー&ホイットニーのF100エンジンによるところが大きい。大柄なわりに軽量な機体に、この強力なエンジンを搭載することで、F15は最強であったのだ。

ところがアメリカのメーカーがこのエンジンの部品を作ることを止めてしまったので、現在は日本(石川島播磨)がこのエンジンを下請け製作している。それをアメリカ軍に納入して、世界各地のアメリカ同盟国に消耗部品を供給している。

F104、F4から続くライセンス生産の経験が、太平洋戦争以降、戦闘機を作れなかった日本に、戦闘機用エンジンを作るノウハウを蓄積させてきた。アメリカの許可さええら得れば、日本は独自のジェットエンジンを開発する下地は十分に出来ている。

話を戻すと、ファーウェイのIT機器は、日本でも沢山使用されている。今回の排除勧告を機に、日本でもIT機器を自社生産することに力を入れてくるのではないかと、私は予想しています。

まァ、アメリカ専用のバックドアは付けられるでしょうけどね。

コメント
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