ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

中東の烽火

2019-07-29 13:09:00 | 社会・政治・一般

再び中東がキナ臭い。

週末、のんびりとBBCやCNNを視ていると、やはりホルムズ海峡でのイギリスのタンカーが、イランの革命隊により拿捕されたニュースがトップに扱われることが多かった。

斜陽の帝国ではあるが、イギリスは軍事力を行使することに躊躇いのない国である。如何に国力が落ちていようと、その軍事力は侮れない。アメリカの協力抜きでも戦える国であることは、よく覚えておくべきことだ。

一方、相手はイランであるから厄介だ。現在、イスラム世界にはリーダーがいない。欧米に圧唐ウれて二流国扱いをされていたイスラム諸国は、数こそ多いが、リーダーたり得る国がいない。

アラビア半島で最大勢力を誇るかにみえるサウジは、リーダーとなりたい野望を持ってはいる。だが、元々サウジ家はスンニ派ではあっても少数派、あるいは異端な宗派であるばかりでなく、歴史も伝統も持っていないがゆえに、アラブ社会での人望は低い。

そのせいか、イランに肩入れしている新興のカタールさえも制御することが出来ていない。このカタールも野望を隠さないが、金は持っていても、国力は乏しく、リーダーたり得る資格に欠ける。

そうなると、残るは伝統あるトルコとエジプト、そしてイランがイスラム社会のリーダーの候補者となる。ただエジプトはイスラエルとの宥和以降、アラブ社会での人気は低い。国内も混迷から脱しえない。

むしろ19世紀まで中東を支配し、18世紀までは西欧さえも圧したオスマン帝国の後継であるトルコ共和国が独裁者エルドアン大統領の元、イスラム社会のリーダーとして復権してくる可能性は高い。

その動きに待ったをかけられるのが、これまたオリエント社会の覇者であったペルシャ帝国の後継であるイランである。正統派であるスンニ派と対立するシーア派ではあるが、その国力は侮れない。

トルコはロシア製のミサイル防衛システムを導入してアメリカの反発を買っている。そしてイランはホメイニ革命以来、アメリカの敵国として認定されている。

中東の二大国家が、今アメリカと深刻な対立状態にある。中東の原油は重要だが、それ以上にアメリカとの友好関係が生命線である日本にとって、この地域でのトラブルは避けて通れない関門である。

困ったことに、トルコはオリエント有数の親日国家であり、イランもまた日本に対して友好的な国である。どちらも敵対関係は避けたいが、アメリカがそのような曖昧な姿勢を許さないことも分かっている。

現在、アメリカが進めているホルムズ海峡への派遣が予定されている連合艦隊に、日本は参加することは避けられないだろう。もはや相C艇の派遣で許されるとは思わないことだ。

さて、この有志連合に自衛隊が艦船を派遣した場合、憲法との整合性はどうなるのだ?先の参議院選挙では、憲法改正に必要な三分の二の議席を取れなかった与党だが、どうみても憲法違反じゃないのか。

まァ、長年にわたり憲法違反を繰り返してきた日本政府のことだから、今回も憲法を踏みにじるのは間違いない。で、毎年「守れ、憲法」とか騒いでいる憲法9条信者の皆さんが、どうせ今回も同じ科白を繰り返すしか能がないのも分かっている。

こうして日本は、再び戦争への道を歩んでいくのでしょうね。

コメント
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