食べるものに好き嫌いのない私は、美味しければ特段、有名、無名には拘らない。
実際、有名でもたいして美味しくない名産品は、けっこうあると思っている。もちろん、美味しいからこその名産品だってある。
その好例だと思っているのが、黒松のどら焼きである。
ここのどら焼きはちょっと変わっている。写真を見てもらえば分るが、まず皮が違う。蜂蜜と黒糖を練り込んだ柔らかくて厚みのある皮である。そして中の餡子は、もっちりと甘いが、甘すぎないのが嬉しい。
初めて食べたのは、二十数年前だ。この店の近所にあった顧客の手土産であった。目をつぶって食べても、ここのどら焼きだけはすぐに分るほど個性的である。
最近知ったのが、東京の三大どら焼きの一つであるらしい。著名な料理記者である岸朝子さんがその著書で取り上げているそうである。
私的には、そんなの知ったこっちゃない。とにかく美味しければ良いだけである。
たた、一点問題がある。このどら焼き、黒松本舗 草月さんでしか扱っていない。通販もネット販売もない。予約も出来ず、店頭で並ぶしかないのである。
場所は東京の東十条である。大衆演劇場がある街として知られているが、店は反対側である。南口の改札を出て、坂道を数分下った先にある。なにせ、このどら焼き、日持ちがしないので、一両日中に食べ切ることを推奨されている。
その日の分は、その日に売り切る。小さな店内では入りきらないと、歩道に行列が出来ることもある。私は顧客の元を訪れた際に、立ち寄るので幸いあまり並ばずに済む時間に買っている。
このドラちゃん、一個120円(税抜)と安い。ばら売りもしてくれる。お土産用に買うと、箱を別途購入する必要があるが、自分用なら不要なので、買い物袋に入れてもらっている。
そんな訳で、今日の三時のオヤツは、黒松のどら焼きである。あァ幸せ、幸せ。
嵐のような月末業務を終えて、少しノンビリしながら甘味を楽しんでおります。